研究課題/領域番号 |
02453044
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
安部 文敏 理化学研究所, 核化学研究室, 主任研究員 (50087491)
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研究分担者 |
浅井 吉蔵 電気通信大学, 電子物性, 助教授 (50087491)
旭 耕一郎 理化学研究所, 放射線研究室, 嘱託 (80114354)
石原 正泰 理化学研究所, 放射線研究室, 主任研究員 (40013396)
小林 義男 理化学研究所, 核化学研究室, 研究員補 (30221245)
大久保 嘉高 理化学研究所, 核化学研究室, 研究員 (70201374)
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キーワード | 短寿命不安定核 / 酸素ー13 / 金属鉄 / 内部酸化 |
研究概要 |
短寿命酸素核 ^<13>O(T_<1/2>=8.9ms)を製造・収集して偏極・収量の最適条件を調べ、金属鉄にインプラントし、酸素位置の内部場の測定、緩和時間の測定を行うことを目的として、 ^<13>Oの収率・偏極・磁気能率の測定を行った。 ^<13>Oは、理研のリングサイクロトロンで得られる135MeV/nucleonの ^<16>Oを ^<197>Auータ-ゲット(386mg/cm^2)に照射してprojectile fragmentとして製造した。放出される ^<13>Oを核種分離装置RIPSによって他核種より分離し、その第三焦点に集束させた。有限角への放出粒子を収集するため、RIPS上流のビ-ムスインガ-により ^<16>Oビ-ムを ^<197>Auタ-ゲットに斜め入射させた。焦点においたPt試料(1mm厚)に、分離した ^<13>Oをインプラントした。 ^<13>Oは、大きな非対称係数(A=1)を持つ高エネルギ-β線を放出するので、β線をプラスチックシンチレ-ション検出器で観測することにより偏極の測定を行った。インプラントされた核の偏極を保持するために58.3mTの静磁場をその方向が反応面に垂直になる様にPt試料にかけた。なお、Pt試料のまわりに置かれたrfコイルにより、静磁場と垂直に振動磁場をかけた。スピンフリップを引き起こし、偏極の向きを逆転させるために、振動磁場の振動数を期待される ^<13>Oに対するラ-モア振動数を横切る様にsweepした(核磁気共鳴における断熱通過法)。 ^<16>Oビ-ムはパルスビ-ムで36msのサイクルに18msオンになる。残り18msのビ-ムオフの最初の3msにrfがかけられ、続く15msにβ線の測定が行われた。 ^<13>Oの収量があまり小さくならない程度に、また副生成物である ^<12>Nがかなりの割合でRIPSの焦点に混じってこないようにという条件のもとで、収集する ^<13>Oの運動量とrf周波数を変化させて上下のβ線の比が1からずれる場所を決定した。この結果に基づき次年度は金属鉄についての実験に進む予定である。
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