研究課題/領域番号 |
02453048
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田切 美智雄 茨城大学, 理学部, 教授 (50007829)
|
研究分担者 |
藤縄 明彦 茨城大学, 理学部, 助手 (10143140)
高橋 正樹 茨城大学, 理学部, 助教授 (20134166)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | 部分溶解 / ミグマタイト / 花崗岩 / 地殻物質 |
研究概要 |
本研究費によって、岩石大割機、岩石二次切断機、岩切研磨機が設備され、各種岩石の鏡下観察用薄片作成、化学分析用岩石試料の作成を効率良く行うことができるようになった。本研究の対象となった日高地域、阿武隈地域、那須火山帯、富士火山帯、大崩山地域で地質調査・試料採取が行われ、多数の岩石試料の主成分、微量成分、希土類元素の化学分析が行われた。これらの研究結果によって、地殻深部での地殻物質の部分溶融過程と生成したメルトと火山活動との相互作用が明かにされ、その成果の一部として14編の論文が公表又は公表予定である。 田切は4つの論文で地殻内での泥質変成岩・塩基性変成岩のそれぞれ60%以上および30%以上の部分溶融によって二種の花崗岩質マグマが生成され、その後マグマの分離上昇が起こったことを示した。同時に地殻内での元素の移動を示した。さらに、地震学的に想定されている地殻深部構造に対比して岩石学的コンラッド面と無地震境界を示すことができた。高橋は一つの火山の地下深部でのマグマの貫入供給系を地球化学的に示した。藤縄は二つの論文で地殻深部で起こっている二種のマグマの相互作用とその進化メカニズムを地球化学的手法を用いて解析し、カルクアルカリ質マグマは地殻深部で塩基性変成岩の部分溶融で生じたメルトを混合したことを示した。本研究の目的の一つである日高地殻の平均化学組成の推定は、一部塩基性変成岩のデ-タ不足のためまだ実行していないが、既に試料は採取されており、本報告提出後に実行される予定である。
|