研究概要 |
藤田・金子は、外圧式中空糸精密濾過膜(粒子分画サイズ0.03μm,材質ポリエチレン)と内圧式管形膜モジュ-ル(分画分子量15,000,材質ポリスルフォン系)を用い、クロスフロ-濾過実験を行った。種々の圧力,クロスフロ-流速の下での透水特性を調べるとともに、カオリンによる濁度の除去特性,大陽菌,大陽菌ファ-ジの分離特性及びフミンの除去特性を調べた。濁度は凝集剤無添加の場合でも、ほぼ100%の除去率が得られた。精密濾過膜の場合、糞便性大陽菌群数はオ-ダ-が3ないし4減少したが、逆洗後に除去能の低下が認められた。大陽菌ファ-ジを水に添加して膜ろ過を行なうと、99.5%の除去率となり、逆洗後は95.4%と、やはり逆洗後のリ-クが増大した。フミンの添加実験では、pH6〜8,水温19〜22℃の範囲では,pHの違いによる除去率の違いは大きくなく、80〜90%程度であった。フミンの場合は、逆洗後も除去率はほとんど変化しなかった。 大垣・山本は、ポリフッ化ビニリデン製の平膜を用い、孔径0.4と0.1μm及び分画分子量20万の限外ろ過膜を用いて,クロスフロ-濾過実験を行った。PMMA(ポリメチルチタアクリレ-ト)粒子を用いた実験により、操作因子(圧力,膜面流連)加透水フラックスに及ぼす影響を明らかにした。ケ-クゲル層支配の状態では、フラックスの減少曲線から得られる比抵抗値は、空隙率,粒子径の関数として与えられる理論式と適合し、ケ-キ層の構造の推定に利用できることがわかった。また、精密濾過膜の大陽菌ファ-ジQ_βの分離特性に及ぼす膜面付着物の影響を調べた。PMMA均一粒子の堆積層では、膜面付着物の影響はほとんど見られなかったが、自然水(池の水)の濾過により生ずる堆積層では、ファ-ジの阻止率が大きく向上した。 総括は藤田が行った。
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