1.[cーBN生成領域]平行平板型バイアススパッタリング装置による堆置による堆積実験の結果、堆積基板へ敷居値以上のバイアスを印加することにより低圧安定相のhーBN以外に高圧高温安定相のcーBNが析出し、バイアスの増加と共にhーBNに対するcーBNの割合が増加し、過剰バイアス印加状態では再びhーBNの単離囲結合のみのアモルファス相になることが判明した。他にcーBN相はAr放電中でしか析出しなく、過剰のN_2が存在する時にはバイアスを印刷しても析出しないこと、タ-ゲット入力500W以下ではcーBNは析出せず、タ-ゲット入力の増加と共にバイアス依存するcーBNの生成領域は拡大すること、スパッタ限界の4×10^<-2>torrまでの圧力増加に対し、cーBNのhーBNに対する生成割合は増加しcーBN生成可能な敷居値バイアスの値は低下することが判明した。 2.[生成膜の検討]ESCAによる組成分析結果では、cーBN膜はボロンと窒素の他に炭素と酸素を2〜3%含むのみの高純度膜であり、窒化率はほぼ1の化学量論組成を示した。電子線解析結果ではcーBNの電子腺回折パタ-ンは1%以内でASTMカ-ドの値と一致し、またcーBNの粒径は最大1000A程度であり、バイアス値の低下と共に粒径は100A^^゚程度まで小さくなることが判明した。さらに高分解能電子線観察で、cーBN結晶粒の粒界はアモルファスであり、粒内には多数の双晶および積層不正が形成されていることが判明した。膜は残留応力によりcーBN単層では真空から空気中にとりだした途端に割れ始めるが、基板のSiとcーBNの間にhーBNのバッファ層を入れることにより割れることを防ぐことが可能であることが判明した。 3.[プラズマinーsitu測定]発光分光法によるプラズマ空間中のラジカル密度分布測定の結果、タ-ゲット入力、圧力の増加は基板近傍のラジカル密度の増加に作用し、cーBNの生成と基板へのイオン流束は強く関連することが判明した。
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