研究概要 |
3モル%イットリア固溶正方晶ジルコニア粉末に0.2ミクロンSiC粒子とSiCウィスカ-を2〜10体積パ-セント混合した複合粉末成形体を95体積パ-セントヘリウムガス/5体積パ-セントCOガス混合ガス気流中1450〜1500℃で18時間常圧焼結反応を行ない、アルゴン雰囲気中150MPa,1450℃で1時間ポスト熱間静水圧焼結反応によって焼結体を作製した。常圧焼結反応で約93%の相対密度をもつ仮焼結体は、ポスト熱間静水圧焼結反応で98%以上の相対密度を有するち密質焼結体となった。複合焼結体では、SiC粒子分散型の方がウィスカ-分散型よりもち密化は容易に達成され、破壊強度500MPa,ワイブル係数9.8(2.5体積パ-セントSiC粒子分散複合体)の焼結体が得られた。一方同体積パ-セントのSiCウィスカ-分散複合体ではウィスカ-の分散度が悪く破壊強度は320MPa,ワイブル系数は6.0となった。微細構造観察の結果,SiC粒子のほとんどはジルコニアマトリックス粒界に分散しており、粒内分散を達成するには、常圧焼結反応での昇温条件を検討する必要がある。アルミナマトリックスへの正方晶ジルコニア分散複合焼結体、ジルコニアマトリックスへの正方晶ジルコニアおよびアルミナ粒子分散複合体の作製は空気中1400〜1600℃,12〜24時間の焼結反応で行ない,アルミナマトリックス中にイットリア又はセリア固溶正方晶ジルコニアを5〜50体積パ-セント分散させたち密質焼結体を作製した。 立方晶ジルコニアマトリックス中への正方晶ジルコニア又はアルミナを5〜30体積パ-セント分散させた複合体も作製し,相対密度98%以上のち密化に成功した。これら粒子散型複合焼結体の時性評価はマトリックスと分散粒子の微細構造に注目して進展させる予定である。
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