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1991 年度 実績報告書

アモルファスカルコゲナイド半導体の電子構造解析と伝導性制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02453062
研究機関東京工業大学

研究代表者

川副 博司  東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (80087288)

研究分担者 矢野 哲司  東京工業大学, 工学部, 助手 (90221647)
安盛 敦雄  東京工業大学, 工学部, 助手 (40182349)
キーワードアモルファスカルコゲナイド / 伝導性制御 / In_2Se_3 / hーBN / 非線形光学特性 / 透明伝導体
研究概要

1.アモルファスカルコゲナイドの伝導性を制御する方法を確立するため、アモルファス(a)および結晶のIn_2Se_3電子構造を検討した。理論的側面からは、強結合法によりエネルギ-バンド計算を行った。また、軌道放射光(SOR)を光源とした紫外光電子分光法により、価電子帯構造を実験的に検討した。さらに、光伝導現象の測定を加え、総合的検討を行なった。その結果、主成分である4配位InとSeが作るバンドギャップ内に、従成分である6配位Inがつくる擬伝導帯が入りこむことを見出し、この系の伝導は、擬伝導帯を電子が移動することによって生じ、従ってn型となり、フェルミレベルがピン止めされないことを明らかにした。
2.広いバンドギャップをもつ絶縁体の伝導電子と束縛電子の光学特性に対する影響を検討し、非線形光学材料の設計指針の確立を図った。すなわち、まず3次の非線形感受率(χ^<(3)>)の量子力学的表式をもとめた。ついで、無機π電子系として六万晶BNを選び、上の表式とバンド計算結果とを結合してχ^<(3)>を理論的に評価した。また、第3高調波発生法によりχ^<(3)>を実験的にもとめ、電子構造との相関を検証した。その結果、π電子系の非局在性が非線形分極を誘起することを見出した。この発見は、広いバンドギャップをもつ非π電子系無機物質であるIn_2O_3やSnO_2では、その伝導帯が非局在化しているために大きいχ^<(3)>が期待されることを示唆している。これを実証することにより、新非線形光学材料の電子構造の設計を可能にした。
3.2.の結果を発展させ、非局在化した伝導帯をもつ広バンドギャップ無機物質の電子構造、構造、組成設計法を確立した。これを用い、新透明伝導体を合成し、その構造および機能の評価を行なった。これらは、液晶表示基板などの主要構成素材である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Kaneko: "Electronic Structure and Electrical Conduction Processes of aーIn_2Se_3" Physical Review B.

  • [文献書誌] N.Ueda: "ThirdーOrder Nonlinear Optical Susceptibilities of Electroconductive Oxide Thin Films" Applied Physics Lettes. 59. 502-503 (1991)

  • [文献書誌] N.Ueda: "Electronic Structure and Optoelectronic Properties of Inorganic Solids" Peport of the Research Laboratory of Engineering Materials.Tokyo Institute of Technology.

  • [文献書誌] N.Ueda: "New Oxide Phase with Higy Optical Transparency and electroconductivity" Nature.

  • [文献書誌] N.Ueda: "Transparent and Electroconductive Oxide MgIn_2O_4 Structure.Electronic Structure,Optical Properties and Electroconductivity" Physical Review B.

  • [文献書誌] T.Omata: "Cadmium Gallium Spinel as a New Transparent and Electroconductive Oxide" Japanese Journal of Applied Physics.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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