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1990 年度 実績報告書

多孔質ガラス内における金属錯体の挙動

研究課題

研究課題/領域番号 02453064
研究機関信州大学

研究代表者

田草川 信雄  信州大学, 工学部, 教授 (40023121)

研究分担者 樽田 誠一  信州大学, 工学部, 助手 (00217209)
藤井 恒男  信州大学, 工学部, 助教授 (10092892)
北島 圀夫  信州大学, 工学部, 助教授 (30021009)
キーワード多孔質ガラス / バナジウム錯体 / 発光スペクトル / 赤外吸収スペクトル
研究概要

1.多孔質ガラス板の作製方法の検討
この研究には、細孔径が約100A^^°、均質、透明性の多孔質ガラス試験片が必要である。このような試験片を作製するためには、1.0〜1.5wt%のフッ素を含む均質な原料ガラスが必要である。ガラス原料の溶融方法を改良し、ガラス溶融中のフッ素の揮散率を30%以下まで減少させることができた。また、多孔質化するための酸処理にはガラス1g当り200ml以上の1ーN硫酸が必要であることを確認した。今年度補助金で購入した装置で測定した結果、大部分の細孔直径は40〜120A^^°(平均60〜70A^^°)、細孔表面積は110〜150m^2/g、細孔容積は0.20cm^3/gであり、これに、約5wt%のシリカゲルを充填したときの細孔径分布の変化も測定した。
2.多孔質ガラス内へのバナジウム化合物の固定及び発光スペクトルの測定
フッ素含量1.0wt%の原料ガラスから多孔質板(3×15×15mm)を作製し、この細孔内にVCl_3水溶液を充填し、60℃で乾燥後、500℃に加熱し、この間の細孔内におけるバナジウム化合物の変化を調べた。細孔内で、VCl_3は60℃ではVOCl_2に変化し、500℃ではV_2O_5に変化することがわかった。なお、細孔内の微量のバナジウム化合物の定性分析には、補償法による赤外吸収スペクトル法が有効であった。さらに、VOCl_2及びV_2O_5を固定した多孔質ガラスの可視・紫外吸収スペクトル及び発光スペクトルを測定した。多孔質ガラス1g当り2〜3mgのV_2O_5を固定した試料に、400〜500℃,10^<-6>Torrの減圧加熱処理を行うと、V=O結合が関与する燐光発光が観測された。室内雰囲気で測定した可視・紫外スペクトルは、V=OがH_2Oを吸収している可能性を示し、可視・紫外スペクトル法は、この研究に有効であることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田草川 信雄: "多孔質ガラス内へのバナジウム化合物の固定" 日本化学会誌.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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