研究概要 |
1.多孔質ガラス内へのシリカゲル及びMNAの固定:含フッ素ソ-ダホウケイ酸塩ガラスから、平均細孔半径5nmの多孔質ガラス板(15×15×2mm^3)を作製し、その細孔内に適切な量の水分を吸着させた後、テトラエチルオルソシリケ-トを含侵させ、細孔内での加水分解・重合反応を進行させ、乾燥した結果、多孔質ガラス1g当り50mgのシリカゲルが細孔内に生成し、それが、細孔内で新たな半径2nmの微細孔を形成することがわかった。次に、光応答性有機材料の2メチル・4ニトロアニリン(MNA)のクロロホルム溶液を用いて、細孔内にMNAを吸着させることを試み、多孔質ガラス1g当り4mgのMNAが吸着し、黄色透明性の試片を作製することができた。それについて、光応答性を測定したが、顕著な光応答性は認められなかった。 2.多孔質ガラス内での遷移金属化合物の光吸収:第一遷移系列元素(Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni)の塩化物水溶液を、多孔質ガラス内に充填・乾燥する方法で、多孔質ガラス内に遷移金属塩化物を固定し、その加熱変化を可視・紫外吸収スペクトル法で検討している。この結果、多孔質ガラスの均質性を高めることが必要であり、さらに、化合物の吸着量を微量に制限するために、化合物の0.01〜0.1mol/lの濃度の溶液が適当であることがわかった。したがって、細孔内の化合物の加熱による重量変化及び熱量変化は測定が困難であり、光吸収スペクトル法が有効であることがわかった。目下その測定を実施中である。
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