研究課題/領域番号 |
02453065
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稲垣 道夫 北海道大学, 工学部, 教授 (20023054)
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研究分担者 |
山本 修 神奈川工科大学, 助手 (00230540)
清水 晃 北海道大学, 工学部, 助手 (90002013)
嶋田 志郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002310)
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キーワード | 酸化物被覆 / 酸化防止 / 炭素材料 / ジルコン / ゾル-ゲル / カーバイド |
研究概要 |
1)炭素材料表面への金属酸化物皮膜の形成 ケイ酸エチルを原料として、シリカSiO_2皮膜を炭素材料表面に形成させるためには、触媒を用いて予め部分的に加水分解しておくことが有効であることを明らかにした。この結果と前年度でのジルコニウムZrO_2皮膜の形成の結果を融合させることによって、ジルコンZrSiO_4の皮膜の形成を試みた。原料としてジルコニウム・テトラブトキシドおよびケイ酸エチルを原料として選んだ。前者はその加水分解速度を遅くし、後者は早くすることによって両者が同時に加水分解することが、均質で単一相のジルコン薄膜を得るための必須条件であった。溶液の粘度を最適化し、1μm以下の薄膜を調製することによって走査電子顕微鏡下でもクラックやポアが無く健全と判定できる皮膜を形成させることが出来るようになった。 2)金属炭化物の酸化機構の解明 炭化ジルコニウム単結晶を用いて、一定酸素圧下、500〜600℃での酸化を行った。酸化後の試料の断面を研磨し、深さ方向でのジルコニウム、炭素、および酸素の組成変化を測定することによって、特に原料炭化ジルコニウムと生成物である酸化ジルコニウムとの境界層に注目して検討した。境界層は原料、生成物いずれとも異なるコントラストを持ち、炭素が遊離していると考えられた。また、組成分布の測定結果はこの境界層付近でジルコニウムのオキシカーバイドが生成していることを示唆している。この境界層と原料炭化物および生成酸化物との間には全くクラックが認められず、良好な接触界面が生成していた。むしろ、酸化物層に特徴的なクラックが認められた。このクラックが境界層の厚さに影響を及ぼしており、遊離炭素が酸化、除去されていると考えられた。
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