研究課題/領域番号 |
02453071
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
上條 栄治 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30214521)
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研究分担者 |
小泉 光恵 龍谷大学, 理工学部, 教授 (80029826)
浦部 和順 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50016383)
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キーワード | イオンビ-ムスパッタ成膜 / イオンアシスト / セラミックス / TiN薄膜 / TiO_2薄膜 / AlN薄膜 / 結晶配向性 |
研究概要 |
本課題は、機能性セラミックス薄膜の成長表面に低エネルギ-のイオンビ-ムをアシスト照射した場合の薄膜成長に及ぼす効果並びにその機構を基礎的に解明する事を目指したもので、研究対象とした機能性セラミックス薄膜は、TiN、Ti(AlV)N、TiO_2、AlNであり、イオンビ-ムスパッタ-法を用いた。 この研究を通じて、イオンビ-ムを薄膜成長表面に照射するイオンビ-ムアシスト法により、従来手法では高温合成を必要とした機能性セラミックス薄膜(AlN)が特に加熱しない基板上に、また高温安定相の結晶(ルチル相TiO_2)が比較的低温で合成できたこと、更には結晶配向性が制御でき、基板温度が低いほど配向性が高い、などの研究成果をえた。 これらの機構については、この研究を通じて以下のように考えられる。低温合成、結晶化は、アシストイオンビ-ムが薄膜表面に運搬してくるエネルギ-は表面で変換消費され、原子オ-ダ-での表面温度がかなりの高温になる結果、化学・物理的反応性と結晶化を促進するものと予想される。また結晶の優先配向性については、薄膜成長表面での付着成長とアシストイオンビ-ムによる再スパッタ-による離脱、再スパッタ-時の結晶変位選択スパッタ-の相互関連によるものと考えられる。 これらの結果は、平成2年度の日本金属学会、日本セラミックス協会。粉体粉末冶金協会、日ー韓セラミックスセミナ-などで発表した。 今後の研究課題は、この仮説を実験的により正確に実証する事であり、その結果によっては低温基板上に単結晶薄膜を合成する手法として威力を発揮するものと期待される。
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