| 研究概要 |
1.<担持された貴金属複合酸化物の合成>___ー:
Rh/SiO_2をベ-スとして、これにNb_2O_5,V_2O_5,MnO_2,MoO_3等の種々酸化物を添加した系について、担体SiO_2の種類、含浸の方法・順序、焼成条件等を詳しく検討した結果、ほぼ単一相の担持された超微粒子として、RhNbO_4,RhVO_4,MnRh_2O_4,MoRh_2O_6,WRh_2O_6,CuRh_2O_4の貴金属複合酸化物を合成することが出来た。
2.<貴金属複合酸化物の固体化学的挙動など>___ー:
還元・酸化による上記複合酸化物の固体化学的挙動を、X線回折、吸着、昇温脱離、昇温還元等の手法によって検討し、各種複合酸化物の安定性を確定した。とくに、RhNbO_4とRhVO_4について詳細な検討を行った結果、分解時における金属の再分散など、固体化学的に興味深い知見を得るとともに、モデル触媒に対する表面科学的研究とは異なる方法でSMSIにおけるデコレ-ションモデルをさらに明確に確立することが出来た。エタン水素化分解、エチレン水素化反応の挙動においても、デコレ-ションモデルと合致する結果を得た。
3.<触媒作用における貴金属複合酸化物の挙動>___ー:
RhNbO_4等の貴金属複合酸化物について、種々の触媒作用を検討した。複合酸化物自体の高い水素化分解活性、水素化分解と脱水素の著しい選択性の変化、SMSIにおける高い酸化活性など、多くの興味深い事実が得られた。また、複合酸化物の還元分解後に、CH_4の部分酸化により合成ガス(CO/H_2)を選択的に与える反応を発見した。触媒比較や反応メカニズムのさらに詳細な追究の過程で、これは必ずしも複合酸化物の特徴ではなく、金属自体の性質であることが明らかになり、現在、鋭意検討中である。
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