研究概要 |
1.電解二酸化マンガンのキャラクタリゼ-ションの方法を,界面制御という観点から検討し,1ー1型電解質溶液,亜鉛イオンを含む溶液を用いた電位差滴定に基づくミクロポアに注目すれば,二酸化マンガンをキャラクタライズ出来ることを見出した。この方法により種々の二酸化マンガンのキャラクタリゼ-ションを行った結果を基に,水溶液用,非水溶液用電池活物質としてのより優れた電解二酸化マンガンの製造設計を行えるようになった。この設計に基づいて電解二酸化マンガンを製造し,従来のものより電池性能の優れたものが出来かけているが,設計不備も目につく。2.分散めっきの分散粒子の共析機構を界面制御という観点から大体明らかに出来た。電位決定イオンが水素イオン,水酸化物イオンである難溶性金属酸化物(主にアルミナと二酸化チタンを使用)と格子構成イオンが電位決定イオンとなる難溶性塩(主に硫酸バリウムを使用)を使用して実験を行い,機構の検証をいろいろな面から行ってきたが,機構の細部での詰めが必要であることが判明し,研究をその方で強化している。3.ガラスの環境による力学的強度の変化を,ガラスと水溶液の界面化学に注目して調べ,ガラスと二価金属イオン(特に亜鉛イオン)との間の反応は材料の界面制御に関わる基礎として非常に重要であることを見い出した。4.共沈という現象を界面制御という観点から研究し,従来から不思議に思われていたことを説明出来るようになっただけでなく,沈殿法による複合酸化物微粒子の製法に設計という概念を導入出来るようになった。 購入した熱分析装置は主に1.及び4.の研究で使用し,界面制御という観点からの界面化学的見方と従来からよく行われている熱分析的見方との間を結べるような結果が出るようになった。
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