研究概要 |
1.電解二酸化マンガン(電マンと略記)のヒドラジン還元という手法を用いて,より一層電マンのキャラクタリゼ-ションを出来るようにした。即ち,アルカリ金属イオン存在下で電マンのヒドラジン還元を段階的に行い,各段階で溶液中のアルカリ金属イオンの量の分析,還元生成物の構造,界面電気化学的特性を調べ,電マンの特性をより明らかにした。その成果を基に種々の二酸化マンガンの製法を試みた。懸濁電解と言われる電解法と界面化学的考え方を採用し,50℃という驚く程低い温度(通常95℃位)で乾電池用二酸化マンガンとして優れた電マンを作ることに成功した。この成果はまだ学会では発表していない。2.分散めっきの機構を明らかにするため,めっき金属イオンにどのような化学種が配位するかという見方を提出し,イオンに粒子が配位した結果そのイオンの反応性が低くなり,電極への付着には寄与しても反応はしにくく,粒子取り込みに関われるという機構を考えれるようになった。この考えを支持する実験をしているが,粉をめっき浴に添加してイオンと粒子との相互作用を電位差滴定曲線に反映させる方法が有用であることを見い出した。3.環境中の材料の表面で起きる反応を調べる方法として電位差滴定法を前年度示したが,この方法の有用性を示すために,材料の表面機器分析を行い,滴定法に表面分析法を併用すると,従来よりより深い材料特性の評価が出来ること,それゆえ制御する方法を考えれるようになった。4.酸化鉄系の磁性粉の湿式条件での生成機構を文献の実験結果を基に解明出来たので,それを参考にMn^<2+>を共沈酸化してマンガン酸化物の生成を制御する方法を検討し,見通しをつけた。アルミニウムとケイ素の酸化物を酸化数が変らないという立場で取り上げ,複合化の仕方,制御の仕方についてムライトを例に研究した。
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