研究課題/領域番号 |
02453091
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 史衛 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50016606)
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研究分担者 |
岡本 専太郎 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00201989)
小林 雄一 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (90153650)
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キーワード | 不斉合成 / エポキシアルコ-ル / シャ-プレス反応 / 第三アリルアルコ-ル / ピ-タ-ソン脱離 / 光学活性アルコ-ル / プロスタグランジン / アルバプロスチル |
研究概要 |
前年度に第三アリルアルコ-ルの一般的合成法を確立する予備実験を行ないよい結果を得た。即ち容易に合成できる光学活性エポキシアルコ-ルを酸化し、エポキシケトンへ導き、続いてグリニャ-ル試薬と高ジアステレオ選択的な付加反応を行ない、最後にエポキシシランの反応性を活用し、ビニル基に変化させることにより、各種第三アリルアルコ-ルを合成できることを見出した。そこで本研究はさらにこの反応の一般性を確立するべく努力をした。その結果、各種第三アリルアルコ-ルの一般的合成法になることを明らかにすることができた。特に、アリルアルコ-ルのオレフィン部分に置換基を有した化合物が合成できたことは特筆されるべき成果であると考えている。我々は二成分連結法によるプロスタグランジンの合成法を開発してきたが、プロスタグランジン誘導体のなかには第三アリルアルコ-ルをω-鎖として有したものが知られている。そこで、今回合成が可能になったγートリブチルスズ第三アリルアルコ-ルを用いてリチオ化、クプラ-トへの変換、そしてシクロペンテノンへの共役付加反応、即ち二成分連結合成法を行ない、対応するプロスタグランジン誘導体を合成した。従来、この型のプロスタグランジンの合成は多工程を要し、さらにエピマ-の分離を行なわなくてはならないなどの大きな問題を抱えていた。それゆえ二成分連結法による実用的な合成法の成功は、抗潰瘍剤として医薬品化が有望視されているアルバプロスチルのより実用的合成法となるだけでなく、新しい各種誘導体の合成も可能にする成果である。
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