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1990 年度 実績報告書

炭素陽イオン反応を利用する新合成法の開発と有機反応論への展開

研究課題

研究課題/領域番号 02453092
研究機関京都大学

研究代表者

竹内 賢一  京都大学, 工学部, 教授 (50026358)

研究分担者 北川 敏一  京都大学, 工学部, 助手 (20183791)
木下 知己  京都大学, 工学部, 助手 (10026289)
小松 紘一  京都大学, 工学部, 助教授 (70026243)
キーワード3位置換4ーホモアダマンタノン / 4ーヒドロキシアダマンタンー2ーオン / 4ーメトキシアダマンタンー2ーオン / ソルボリシス / 2ーオキソ橋頭化合物 / 2ーメチレン橋頭化合物 / αーケトカチオン
研究概要

1.3位置換(または標識)4ーホモアダマンタノン類の新合成法の開発ー従来標題化合物の合成は3位にメチル基をもつものに限られ、その合成法を他のアルキルまたはアリ-ル基に適用することはできなかった。今回我々は、先に開発した新環拡大反応により高収率で得られる3ーヒドロキシー4ーホモアダマンタノンにアルキル(Me,Et,iーPr,tーBu)またはアリ-ル(Ph,4ーMeOC_6H_4)リチウムを反応させ、得られたジオ-ルをピナコ-ル転位させることにより,3位にアルキルまたはアリ-ル基を持つ4ーホモアダマンタノン類の新合成法を開発した。さらに、上記ジオ-ルの4位を ^2, ^<13>Cで標識したものを用い、3位標識の4ーホモアダマンタノン類も合成可能となった。
2.4_<eq>ーヒドロキシ(またはメトキシ)アダマンタンー2ーオンの簡単合成法の開発ー従来法で比較的容易に得られる4_<ax>ーヒドロキシアダマンタンー2ーオンをトリフレ-トに変え、ソルボリシスを80%Acetone,MeOH中で行ったところ、いずれも主生成物はエカトリアル体の標題化合物であり、単離も容易であった。従来法ではこれらエカトリアル体の収率は低く、今回の合成法の開発は、標題化合物が容易かつ高収率で得られるという点で非常に有効である。
3.新規2ーオキソおよび2ーメチレン橋頭化合物の合成とソルボリシスーこれまでに4種類ずつの標標化合物を合成し、ソルボリシス速度からαーケトカチオンの共役効果がみられないことを確かめた。今回はAMI計算による理論面からの検証を行い、従来の我々の結論を支持する結果を得た。さらに、これまでよりも極めて柔軟な骨格の標題化合物を合成し、その速度と生成物を調べたところ、正常なS_N1型ではない特異なソルボリシス挙動が見られた。原因は、不安定αーケトカチオンの反応性の低い第一級カチオンへの転位と考えられるが、詳細は検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 竹内 賢一: "Stability of 2ーOxo and 2ーMethylene Bridgehead Carbocations in Solvolysis:Further Evidence for the Unimportance of TLーConjugative Stabilization in Tertiary αーKeto Cations" J.Org.Chem.55. 6063-6065 (1990)

  • [文献書誌] 竹内 賢一: "A New Route to 3ーLabeled or 3ーSubstituted 4ーHomoadamantanones" Synthesis. 37-40 (1991)

  • [文献書誌] 竹内 賢一: "A Convenient Method for the Preparation of 4(e)ーHydroxyー and 4(e)ーMethoxyadamantanー2ーones" Synth.Commun.

  • [文献書誌] 竹内 賢一: "The Reactivity of 1ーChloroー3,3ーdimethylbicyclo〔2.2.2〕octanー2ーone in the Radical Mechaism of Nucleophilic Substitution" J.Org.Chem.56. 1581-1584 (1991)

  • [文献書誌] 竹内 賢一: "Solvolysis of 2ーMethylene Bicyclic Bridgehead Derivatives:A Model for Gradual Variation of πーConjugation in Carbocations" J.Org.Chem.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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