研究課題/領域番号 |
02453101
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾崎 邦宏 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027046)
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研究分担者 |
井上 正志 京都大学化学研究所, 助手 (80201937)
根本 紀夫 京都大学化学研究所, 助教授 (90027053)
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キーワード | 流動複屈折 / 光弾性 / 高分子ガラス / ガラス転移 / 応力緩和 / 粘弾性 / ポリスチレン |
研究概要 |
1.現有の引張試験機に光学系をつけることにより、応力緩和測定と同時に、複屈折の測定を行う装置を開発した。この装置では、30mmx4mmx1mm程度の高分子膜を試料とし、測定時間範囲は1〜10000秒、温度範囲は0〜150℃である。 2.現有の振動型粘弾性測定機に光学系をつけることにより、動的粘弾性測定と同時に、複屈折の測定を行う装置を開発した。上述の試料と同様な試料について、振動数1〜200Hz、温度0〜180℃の範囲で測定することができる。 3.これらの装置を用いて、ポリスチレンについて測定を行い、異なった測定法で得られた結果が、現象理論の観点から全く矛盾なく関係づけられることを証明した。 4.ガラス領域およびガラスーゴム転移領域におけるポリスチレンの複屈折の挙動を記述するために、修正光弾性則を提案した。この解析法により、粘弾性のガラス転移現象が、2種類の緩和スペクトルの重ねあわせで説明できることが判明した。二つのスペクトルに対応する光弾性係数は、符号が逆で、大きさは約200倍異なっている。また、これらのスペクトルの温度依存性は互いに異なっており、この結果によって、従来不明であった熱レオロジ-的複雑さの原因が明らかになった。 5.種々の変形履歴に対する複屈折の時間変化を、線型応答理論によって一般的に表す方法を提案し、基本的な応答関数の間の関係を明らかにした。
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