研究概要 |
本研究では,まず主鎖型液晶ポリアミドにおいてサ-モトロピック液晶性をもたらす液晶発現基および主鎖構造につき調べた。α,ω-ビス(フェノキシ)アルカンー4,4′ージカルボン酸,4,4′ージアセトキシビフェニル,およびPーNーアセチルアミノ安息香酸の3成分を重縮合させて,高いTi,Tmを示すサ-モトロピックコポリエステルアミドを作った。この系では約20%までのアミド基を含むポリマ-は液晶性を示した。アミド結合は分子間水素結合を形成し易いため,高い転位温度のポリマ-が生成した。アルキレンスペ-サを含有するサ-モトロピックポリエステルは,液晶温度範囲で成形すると等方性液体状態からよりも高強度成形品が得られることを見出した。これは用いた適当な成形条件により,アルキレン鎖を含むポリマ-主鎖の軸方向の配向が高度に起ったことによることが,SEM観察から分った。サ-モトロピック・側鎖型液晶ポリマ-を(メタ)アクリレ-トモノマ-の電子線固相重合法で作った。不斉のエポキシ基とフェニルベンゾエ-ト基を側鎖に持つ液晶アクリレ-トモノマ-の電子線固相重合では,高収率で溶媒不溶の液晶性架橋ポリマ-が生成した。4ーヘキシロキシー4′ー(ωーアクリロキシヘキシロキシ)ベンゾエ-トなどの液晶アクリレ-トは電子線固相重合によって,高収率で高分子量ポリマ-を与えた。また,ビフェニレンを含有する非液晶アクリレ-トは類似構造の低分子液晶化合物の添加により,その固相重合性の大巾な上昇を示した。視覚を司るレチニル基を持つポリメタクリル酸エステルを合成した。ポリメタクリル酸メチル部分ヒドラジドとレチナ-ルを縮合剤存在下に反応させ,3〜9%のレチニル基を持つポリメタクリル酸エステルを作った。このDMSO可溶性ポリマ-の構造はNMRで調べた。
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