研究課題/領域番号 |
02453116
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
欅田 榮一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00031047)
|
研究分担者 |
西谷 紘一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10029572)
|
キーワード | 機能性化学反応システム / 化学反応サイクル / ケミカルヒ-トポンプ / システム構成 / プロセス合成 / エキスパ-トシステム / デ-タベ-ス |
研究概要 |
複数の化学反応を組合せて特定の機能を発現させる機能性化学反応システムとして、平成2年度には、高選択性金属イオン分離プロセス(枝分かれ型システム)及び強ロバスト性金属イオン緩衝システム(ネットワ-ク型システム)をとりあげ、これらを合成するためのアルゴリズムの開発とデ-タベ-スの構築についての方法論を展開した。そこで、平成3年度には、ケミカルヒ-トポンプ・サイクル(サイクル型システム)について検討し、化学反応サイクル合成のためのエキスパ-トシステムを構築した。 ケミカルヒ-トポンプサイクルは、中温で進行する吸熱反応と高温及び低温で進行する発熱反応を組み合わせて、中温の熱エネルギ-を高温に汲み上げるものである。このようなサイクルを合成するために、まず反応の進行が実験によって確認されている反応(既知反応)及び各反応の反応温と熱的特性(発熱、吸熱)のデ-タを集めたデ-タベ-スを構築した。このデ-タベ-スを用いて、次の手順でサイクルが合成できる。(1)高温で発熱の既知反応(キ-反応)を選ぶ。(2)(1)のキ-反応の逆反応をキ-反応に組み合わせてサイクルを形成する。(3)中温で吸熱の既知反応を探す。この反応の原系及び生成系にはそれぞれ(2)の反応と同じ化学種が含まれていなければならない。(4)(2)の反応から(3)の反応を引算し、余り(余反応)を求める。(5)余反応が、低温で起こる既知反応であれば、サイクルが完成したことになる。平成3年度に開発したエキスパ-トシステムでは、上記手順の中の既知反応の概念を拡張するために、経験的に知られている化学反応進行のル-ル及び熱力学的デ-タから計算される標準自由エネルギ-変化に基づく評価が高い反応も既知反応と同等の扱いが出来るようにした。
|