研究課題/領域番号 |
02453133
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂 志朗 京都大学, 農学部, 助教授 (50205697)
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研究分担者 |
棚橋 光彦 岐阜大学, 農学部, 助教授 (80093269)
白石 信夫 京都大学, 農学部, 教授 (70026508)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 無機質複合化木材 / ゾル-ゲル法 / SiO_2ゲル / 超音波処理 / シリコンアルコキシド / トポケミストゥリ- / 寸法安定性 / 難燃性 |
研究概要 |
木材の持つ長所を維持しながら欠点を改良するため、ゾル-ゲル法を応用して、無機質と木材の複合化を検討した。出発溶液として、シリコンアルコキシド・アルコ-ル・酢酸(モル比1:1:0.01)を用い、木材細胞壁中にある結合水を開始剤とした反応で、細胞壁中に選択的にSiO_2ゲルを生成させる調製条件を見い出した。また、SiO_2ゲルは細胞壁内に均一に分布し、結合水量の多いものほど生成ゲル量が多くなることが判明した。さらに、この複合化の過程に、超音波処理を施すことにより、SiO_2ゲルの取り込み量が、15ー30%増加し、複合化のための含浸処理時間を短縮することができた。得られたSiO_2無機質複合化木材は、SiO_2ゲル量が多いものほど寸法安定性・難燃性が向上し、トポ化学的には、細胞壁内に生成したSiO_2ゲルが、内腔のゲルより、これらの性能向上に効果的であることが明らかになった。 さらに、無水条件下での木材とテトラエトキシシランとの反応機構の解明を試み、フェノ-ル性水酸基よりもアルコ-ル性水酸基のほうが、反応性が高いことを明らかにした。 一方、木材と3ーイソシアネ-トプロピルトリエトキシシラン(3ーIPTEOS)との反応を試み、置換基末端にエトキシシランを有する化学修飾木材を調製した。引き続き、ゾル-ゲル法を応用しTiO_2ゲルによる化学修飾木材の無機質複合化を試みた結果、高い寸法安定性を有しかつ難燃性の高い複合材料が調製できることが明らかとなった。また、SEMーEDXA分析により、細胞壁内に3ーIPTEOSが、内腔にTiO_2ゲルが生成し、細胞壁界面ではく離が見られないことから、無機物が細胞壁と結合していることが推察された。
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