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1992 年度 実績報告書

魚肉の肉質の死後変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02453134
研究機関京都大学

研究代表者

坂口 守彦  京都大学, 農学部, 教授 (00027187)

研究分担者 豊原 治彦  京都大学, 農学部, 助手 (90183079)
キーワード魚肉 / 軟化 / コイ / コラーゲン / 筋隔膜 / 筋内膜 / 抗体
研究概要

冷蔵中における魚肉の軟化は、筋細胞周辺の脆弱化によるものと考えられるが、その分子機構を明らかにするためには、筋細胞周辺のコラーゲンの分子種を同定することが必要である。そこで、コイ筋肉中の主要コラーゲンであるI型とV型コラーゲンをそれぞれ、DEAE-セルロース、DEAE-トヨパールおよびDEAE-セルロース、SP-フラクトゲルにより精製した。次に、ウサギを用いてこのI型およびII型コラーゲンのポリクロナール抗体を作製した。各血清画分をさらにアフィニティー精製し、特異抗体を作製した。その後、このような方法で作製した特異抗体を用いて、免疫組織学的に筋肉組織における両コラーゲンの分布を検討した。その結果、抗I型コラーゲン抗体は、筋隔膜に強い交叉性を示したが、筋内膜における交叉性は低かった。これに対し、抗V型コオラーゲンでは、筋隔膜における交叉性はI型抗体とくらべてはるかに低かったが、筋内膜に強い反応が認められた。
以上の結果より、軟化に対応して構造が崩壊する筋内膜コラーゲン線維は、主としてV型コラーゲンより構成されていることが明らかとなった。
ハマチ、マダイ、フグ、ニジマスなどを用いて各鮮度段階(死後72時間まで)における種々の筋肉タンパク質の電気泳動を試みたが、各段階における特異なパターンを検出することはできなかった。また、HPLCによってニジマス筋肉の軟化に伴うコラーゲン分解物の検出を試みたが、成功には至らなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Ando: "Post-mortem tenderization of trout muscle caused by the disintegration of collagen fibers in the pericellular connective tissue." Nippon Suisan Gakkaishi. 58. 567-570 (1992)

  • [文献書誌] M.Ando: "Three-dimentional structure o collagen fibrillar network of pericelllar connective tissue in association with firmness of fish muscle." Nippon Suisan Gakkaishi. 58. 1361-1364 (1992)

  • [文献書誌] 坂口 守彦: "刺身を科学する" 京都大学食糧科学研究所報告. 56. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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