研究課題/領域番号 |
02453135
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 敦士 新潟大学, 農学部, 教授 (40018792)
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研究分担者 |
池内 義秀 新潟大学, 農学部, 助教授 (90168112)
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キーワード | タイチン / コネクチン / モノクローナル抗体 / 食肉の軟化 / 食肉の解硬 / 食肉の熟成 / 筋原線維蛋白質 / 食肉の高圧処理 |
研究概要 |
本研究は筋原線維蛋白質に対するモノクロール抗体を作成、それによって筋原線維蛋白質の死後変化を明らかにし、食肉の解硬・軟化機構を解明するのが目的である。今年度は以下のような成果が得られた。 1.鶏筋肉から調製したコネクチン及びタイチンに対するモノクローナル抗体を使い、鶏胸筋及び家兎腰筋での結合部位を電子顕微鏡によって観察した結果、鶏胸筋の場合、対コネクチン抗体は筋原線維A帯中央のH帯に近い部分の両側に結合し、対タイチン抗体はA帯上のI帯側によった部分に1か所、さらにA帯の半分の中央部に1か所の結合部位を示した。一方、家兎腰筋の場合、対コネクチン抗体は、鶏の場合と同じくA帯中央のH帯に近い部分の両側と、I帯のZ線の両側(N_1lineの近く)に結合した。対タイチン抗体は、鶏の場合と同じく、A帯上のI帯側の方に2か所の結合部位を示した。また、I帯にも2か所の結合部位(N_1とN_2lineの近く)が認められた。 2.鶏胸筋を0℃、1週間貯蔵し、その間の対コネクチンモノクローナル抗体の結合部位の変化を研究した結果、屠投直後は、A帯中央部のH帯との境界(M線の両側)に明瞭に認められた結合部位が、死後硬直、それに続く解硬・軟化に伴なって少しずつ変化し、1週間後には明瞭さを失い、ジグザク状を示すようになり、縦方向への連続性の低下を示すようになった。また、I帯やZ線の近傍にも結合部位らしきものが新たに生じ、コネクチンフィラメントの腕弱化の進行が示唆された。 3.食肉の解硬・軟化促進法としての超高圧処理を施した鶏肉及び家兎肉に、対コネクチン抗体を作用させ、結合部位の変化を研究中であるが、通常の低温熟成中の変化を短時間で達成させることが可能である。
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