研究課題/領域番号 |
02454021
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
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研究分担者 |
千葉 和義 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (70222130)
松本 緑 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00211574)
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キーワード | ホヤ / 自家不稔性 / アロ認識 / 精子・卵相互作用 / 多型 / cDNAライブラリ- / rDNA / 濾胞細胞 |
研究概要 |
ホヤにおける自家不稔性は、アロ認識にもとづく配偶子間相互作用、特にイ)精子が卵黄膜に結合してからロ)先体反応の誘起を経てハ)卵黄膜を貫通するまでの過程、の修飾・変調と考えることができる。本研究では、アロ認識の結果これらの過程が修飾・変調される機構を明らかにすることを目標として、優れた材料と考えられるカタユウレイボヤ、ユウレイボヤおよびマボヤを用い、(1)アロ認識の分子機構と(2)イ)〜ハ)の分子機構とを解析することにした。本年度に得た主な知見は、以下の通りである。 1)マボヤでは、卵巣より得た一次卵母細胞を海水中で培養すると、先ずテスト細胞が分離し、ついで卵核胞が崩壊するが、受精能はない。さらに培養を続けると、自家、他家の区別無く受精可能となり、やがてさらに数時間たつと初めて自家不稔性となる。 2)培養開始前に濾胞細胞を除いておくと、自家不稔性にならない。 3)カタユウレイボヤでは、これらの変化は遥かに早く起り、培養開始後3時間の内に自家不稔性が完成する。 4)ユウレイボヤ類では、精子一卵黄膜結合、先体反応ともにアロ認識による修飾を受けているが、マボヤでは後者のみが修飾されるらしい。 5)アロ認識との係わりで、ホヤにおける多型現象を解析し、rDNAがその良い分子マ-カ-であることをすでに見出していたので、ユウレイボヤのcDNAライブラリ-を作り、マウスのrDNAをプロ-ブとしてユウレイボヤのrDNAを釣り出し、その部分塩基配列を計1,063塩基対決定した。 6)カタユウレイボヤ精子の卵黄膜貫通には、精子のキモトリプシン様プロテア-ゼの活性が関与している。
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