研究課題/領域番号 |
02454031
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山越 憲一 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (40014310)
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研究分担者 |
安藤 譲二 北海道大学, 応用電気研究所, 講師 (20159528)
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キーワード | 電気・光生体物性 / 無侵襲生体計測 / 多機能生体計測 / 循環生理情報 / 電気的アドミタンス法 / 光電容積検出法 / 容積振動法 / 容積補償法 |
研究概要 |
以下本年度(平成2年度)交付申請書に記した「研究実施計画」に沿って、本研究で得られた主な成果を箇条書きにする。<1.無侵襲血流計測の確立に関する検討>___ー:血液が他生体組織と比べ高導電性を持つことを利用し、血液容積変化を電気信号として捉える生体電気的アドミタンス法を以前開発したが、今回この生体アドミタンス信号をより高品質・高精度に検出するVoltage clamp法を新たに開発し、心拍出量、体肢動脈血流量計測の適応に成功した。更に、体内水分量バランスの評価に重要な生理学的情報である体肢毛細管濾過流量(CFR)と濾過係数(CFC)を高精度に求めるべく、体肢セグメントを弾性薄膜カフで覆い、その周囲を電解質溶液で満たして、体肢内水分量変化を電解質溶液変化に置換し、これをアドミタンス信号として検出するアドミタンス・カフ法を考案した。本法によりCFR、CFCが従来法と比べ、より高精度・高信頼で測出出来ることが実験的に確認された。<2.血圧、血管弾性特性及び末梢循環抵抗の無侵襲計測の検討>___ー:前記1.で得た知見を更に拡張し、この方法と、申請者らが以前開発した容積振動法並びに容積補償法による無侵襲血圧計測法との同時併用を行い、循環生理情報(心拍出量、血圧、血管弾性特性、全身及び局所末梢循環抵抗、心臓の酸素消費量の指標であるrate pressure product(=瞬時心拍数×最高血圧)など)を無侵襲的に多機能計測する方法を提案し、実験的検討を通して本法の有用性と信頼性等について基礎的デ-タを得た。<3.血液物性の無侵襲計測に関する検討>___ー:前記のアドミタンス・カフ法に容積振動法を適用することにより、CFR、CFC以外に体肢血圧、体肢動静脈血管弾性特性、及び血液の電気物性を示す比抵抗と血球濃度を示すヘマトクリットをも同時計測可能であることを理論的・実験的に検証した。更に、容積振動法に2波長測光方式を適用することにより、血圧以外に動・静脈血液の酸素飽和度を分離計測できることを実証した。
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