研究課題/領域番号 |
02454035
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平井 篤志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023470)
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研究分担者 |
山口 淳二 名古屋大学, 農学部, 助手 (10183120)
服部 一三 名古屋大学, 農学部, 助手 (40023494)
蓬原 雄三 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023405)
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キーワード | イネ / 核DNA / パルスフィ-ルド電気泳動 / rRNA遺伝子 |
研究概要 |
従来の枠を破った新しい育種法が提案されている。その一つは有用遺伝子を直接植物に導入するトランスジェニック植物作製法である。しかしこれの実用化には、構造遺伝子だけでなくそれの制御システムを知る必要があり、導入遺伝子だけでなく、導入される植物の遺伝情報発現のシステムの理解が重要である。そこでイネの核ゲノムの構造を明らかにする目的で核DNAをパルスフィ-ルド電気泳動法により解析した。 巨大DNAを扱うには、DNaseによる切断を抑えると共に、物理的な切断を防ぐ必要があり、ゲル中にサンプルを包埋し、すべての処理をその中で行った。すなわち胚芽から細胞核を単離し、ゲル中に包埋した。このゲルブロックを高EDTA濃度下、Proteinase KとSarkosylで処理してDNAを調製し、各種制限酵素で切断した。各試料をパルスフィ-ルド電気泳動装置により分画し、検出の容易なリボソ-ムRNA遺伝子をプロ-ブとしてサザンハイブリダイゼ-ションを行なった。 パルスフィ-ルド電気泳動による分画の結果、MbサイズのDNAが単離可能であった。また各種制限酵素処理によって現われた、DNAのサイズ分布は、SmaIで10ー250kb、SalIで10ー150kb、PstI・PvuIIで6ー75kbであった。SmaI・SalIはメチル化により切断されないので、イネでもメチル化されているらしい。リボソ-ムRNA遺伝子は、200以上のタンデムリピ-ト構造を形成している。実験の結果、遺伝子を切断しない制限酵素では1Mb以上の領域にバンドが現われた。また切断する制限酵素でも、ラダ-状のバンドになるものがあり、メチル化の影響と考えられる。 今後、他の遺伝子やRFLPマ-カ-をプロ-ブに解析を進め、当技術の確立を目指す予定である。当技術とYACベクタ-クロ-ニング系が確立されれば、将来のイネの分子育種に向けて大きく前進することになろう。
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