研究課題/領域番号 |
02454039
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
石原 邦 東京農工大学, 農学部, 教授 (70014925)
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研究分担者 |
大川 泰一郎 東京農工大学, 農学部, 助手 (80213643)
平沢 正 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30015119)
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キーワード | 老化 / 光合成 / 出液 / サイトカイニン / 根 / 水稲 / 葉 |
研究概要 |
作物における葉の老化は生育条件によって、また生育条件が等しくても品種によって異なり、この相違は生育収量に著しい影響をおよぼすので、この相違をもたらす機構および葉の老化を促進する要因の解析は極めて重要である。 まず水稲の品種による老化の相違を検討したところ、日本型品種、日印交雑品種およびF_1雑種とその両親との間で、光合成速度を指標として測定した老化過程に著しい相違のあることが認められた。この中の代表的な品種日本晴とアケノホシについてさらに検討をすすめたところ、根の生理的活性と密接に関係する出液速度が両品種間で著しく異なり、老化の遅いアケノホシで出液速度が大きく、とくに老化のすすむ登熟中後期に両品種の相違が大きくなった。さらに葉身の老化と関係する出液中のサイトカイニンについて、アマランサスの子葉に形成されるベタシアニンを指標とした生物検定法を用いて比較した結果、老化の遅いアケノホシは日本晴に比べてより多くのサイトカイニンを根から茎葉部へ供給していることが明らかとなった。しかし、この生物検定法ではサイトカイニン以外の物質を定量している可能性もあり、サイトカイニンの種類について検討することができないので、次年度以降さらに精度が高く、サイトカイニンの量的、質的測定が可能な同位体希釈法を用いて研究を続けたいと考えている。出液中のサイトカイニンの検討から明らかなように根群の発達、根の生理的活性は葉身の老化と密接に関係しているので、根群の発達程度について測定法について追究し、ミニライゾトロンによる方法を確立した。さらに水稲において主茎と分げつの葉身間を比較したところ、同伸葉でも主稈に比べて分げつの葉身の老化が早くすすみ、この相違にも根が関係していることが推察された。
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