研究課題/領域番号 |
02454042
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
土屋 幹夫 岡山大学, 農学部, 助教授 (80127571)
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研究分担者 |
小合 龍夫 岡山大学, 農学部, 教授 (40032536)
沖 陽子 岡山大学, 農学部, 助教授 (30127550)
久保田 尚浩 岡山大学, 農学部, 助教授 (70033272)
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キーワード | 塩分ストレス / 光合成 / 構成呼吸 / 維持呼吸 / 蒸散 / イオン吸収 / 非構造性炭水化物 / 耐塩性 |
研究概要 |
本年度は、幼植物の茎葉部光合成速度、茎葉部と根部の呼吸速度および蒸散速度を同時に連続的に測定できる実験装置2台の組立を完了するとともに、本研究の目的である塩分ストレス下における基本的生理状態とその動態の特徴を明確にする上での前提となる、非塩分ストレス条件下での生理状態とその動態について、以下の基本的諸点をイネ幼植物を実験材料として明確にした。1.CO_2収支の測定によって、葉身部および根部の生長量を両部位の構成呼吸速度から、また葉身部と根部の生長量の比を両構成呼吸係数の比から各々推定できること、すなわち、幼植物個体の生長量は勿論、個体の形態形成の方向をも生理状態の解析によって推定可能なこと、2.養分吸収などの体構成を伴わない生理活性に係わると考えられる維持呼吸係数と個体に占める葉鞘部の乾物重割合との間に極めて高い正の相関関係が認められること、3.イネ品種には、非構造性炭水化物の蓄積と暗中での利用に品種間差異が存在し、実験材料の選定に際して留意する必要があること、そして、4.光合成産物を非構造性炭水化物として蓄積する割合が低く、窒素含有率が高くて葉面積の拡大など体構成が著しい生育の状態にある個体が、塩分ストレスに遭遇した場合に耐性を示すこと、等が明らかになった。 次年度は、まず、茎葉部と根部のCO_2収支、蒸散速度の測定を行いつつ、培養液中および植物体内の各種イオン濃度の変化を経時的に測定して、イオン吸収と維持呼吸および蒸散速度との関係を明確にする。そして、その上で、耐塩性品種と感受性品種を供試し、構成呼吸係数、維持呼吸係数、体内の非構造性炭水化物および各種イオン含有率を指標として、塩分および非塩分ストレス下における生理状態とその動態を比較する。
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