研究概要 |
リンゴ実生から、2,4ーD linkedーSepharose4Bを用いたアフィニティ-クロマトグラフィ-および2回のSepharose4Bゲル濾過によりオ-キシン結合蛋白質を約1万分の1に部分精製し、その性質を調べた。部分精製オ-キシン結合蛋白質のSepharose4Bゲル濾過による分子量は約400KDaであり、このゲル濾過における活性パタ-ンと対応する56KDaと15KDaのバンドがSDSーPAGE上に検出された。アフィニティ-クロマトグラフィ-後、SDSーPAGE上で65KDaのバンドがメインバンドとして強調されたが、メロン同様活性パタ-ンとは対応しなかった。分子量及び考えられるサブユニット構成から、リンゴ実生の可溶性オ-キシン結合蛋白質はヤエナリABPー1と似ていた。上記方法によって得られた部分精製オ-キシン結合蛋白質を用い、受容体としての性質を検討したところ、スカッチャ-ドプロットは直線を示し、そこから求められた難離定数は7.7X10^<ー6>Mであった。これまでヤエナリ、メロンおよび本実験において精製された可溶性オ-キシン結合蛋白質の解離定数はいずれも10^<ー6>Mのオ-ダ-であり、明らかに膜結合型と異なっており、可溶性型の特徴の一つと考えられる。 ^<14>CーIAA結合に対する阻害率は2,4ーD,NAAがほぼ100%でアンチオ-キシンであるPCIBが約50%であり、この部分精製標品はオ-キシンに高い親和性を持つことを明かにした。このように、リンゴ実生からのオ-キシン結合蛋白質は基質に対する結合の飽和性、結合の可逆性そして特異性を示すことより、オ-キシンに対する受容体としての性質を持つことを明らかにした。
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