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1990 年度 実績報告書

酸性雨が土壌金属元素の挙動とクワの栄養生理に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 02454056
研究機関東京農工大学

研究代表者

本間 慎  東京農工大学, 農学部, 教授 (70014941)

研究分担者 久野 勝治  東京農工大学, 農学部, 助教授 (70092484)
キーワード酸性雨 / 土壌 / 金属元素の挙動 / クワ器官 / 乾物重 / 無機元素
研究概要

酸性雨がクワの栄養生理に及ぼす影響は1つには酸性雨が直接桑葉に付着吸収されてクワの栄養生理に及ぼす影響があり,他には酸性雨が桑園土壌に降下し,土壌中のとくにカチオンの挙動に与える影響とがある。本研究はその両面から追求したものである。
1)土壌中の金属元素の挙動に与える影響
対称元素としては,Ca,Mg,Mn,Zn,Cu,Ni,Fe,Pb,Cd,Cr,Alの11元素を選んだ。土壌は,黒ボク土,洪積土,沖積土,蛇紋岩質土壌,重金属汚染土(火山灰土)を選び,ガラス管に土壌を入れ,上部から酸性雨を浸透させるカラム実験で行った。
〔結果〕pH5,pH3の擬似酸性雨により土壌の緩衝能は失われなかったが,pH2の場合は著るしく緩衝能を低下させた。金属の溶出率は土壌の種類によって差がみられたが,沖積土を除く各土壌で共通した金属の溶出順序は,第1のグル-プとして,Ca,Mg,K,Na,第2グル-プMn,Zn,第3グル-プNi,Cu,Pbであった。各土壌とも,緩衝能を担う金属はCa,Mg,K,Naであり,主としてCaとMgの役割が大であった。
2)クワの生長とクワ器官中の無機元素の挙動に与える影響
クワの古条さし木を用い,桑葉にpH4.5とpH3.0の擬似酸性雨を噴霧して,クワの生長及びクワ器官中の各元素の挙動を調査した。
〔結果〕クワの乾物重は酸性雨処理により一時的に増加する場合もあるが,長期間pHの低い酸性雨で処理すると乾物は小さくなっていた。各元素の挙動についてみると酸性雨処理により一貫して減少する元素(P,Ca),短期間処理ではいったん含有量が多くなるが,強い酸性雨処理をつづけると含有量が減少していく元素(Mg,N)および弱い酸性雨処理で含有量が多くなる元素(K,Fe)がみとめられた。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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