研究課題/領域番号 |
02454059
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒木 茂 京都大学, アフリカ地域研究センター, 助教授 (00158734)
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研究分担者 |
中野 淳一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (20032641)
高村 泰雄 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教授 (30026372)
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キーワード | 耐乾性 / 根圏土壌 / 土壌溶液 / アフリカ土壌 |
研究概要 |
ホロファイバ-を使用した土壌溶液の採取と、土壌水分計とデ-タ・ロガ-を用いた継続的な土壌水分の計測により、根圏土壌の動態把握と作物の乾燥低抗性の機作を明らかにする目的で、以下の実験をおこなった。 (予備実験)ホロファイバ-による土壌水分の採取可能な範囲と、土壌水分計の測定範囲を把握する目的で、以下の予備実験をおこなった。直径30cm、深さ50cmの塩化ビニル製ポットに3種類の土壌(黒ぼく土、赤黄色土、沖積土)を充填し、深さ10cmと30cmの位置にホロファイバ-のリングと、土壌水分計を設置し、経時的な土壌溶液の採取と、水分変化の観測をおこなった。 結果:土壌水分計はpF1から2.9の範囲が測定可能であり、ホロファイバ-により、pF2.8で数mlの土壌溶液の採取が可能であった。10日間の自然放置による土壌乾燥では、黒ぼく土は、ほぼ土壌水分の測定限界まで乾燥したが、他の土壌では、pF1.8の範囲にとどまり、土壌の粒径分布、構造の違いが保水力に大きな影響を及ぼしていることが明かとなった。 (栽培実験)予備実験と同様な条件で、トウモロコシの初期生育試験をおこない、土壌水分、土壌溶液の養分濃度の経時変化をみた。 結果:栽植区の土壌水分は無栽植区と比べて、たえず、より乾燥した状態に保たれ、土壌溶液の電気電動度、各種イオンの濃度も高い状態であった。また、自然乾燥による水分の上向きの移動により、深さ10cmの方が、30cmよりも、各種イオン濃度が高い傾向にあった。 以上の結果より、当実験で用いた方法は、作物生育下での土壌水分と、その養分濃度変化を経時的に観測することが可能であることが明らかとなった。これらのデ-タは、根圏土壌の特性把握と、作物の乾燥状態における、それらの動態把握を可能とすることを裏付けるものであり、次年度以降の実験計画の重要な基礎となった。
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