研究概要 |
PLEの単離 PQQを生育に要求する菌度,Pseudomonassp.VMー15C及び,PQQ合成欠損変異株,Acinetoーbacter calcoaceticusからPLEをそれぞれ単離精製した。それらをPQQー付加体と反応させてPQQの遊離の起ることを確認した。本研究において,試料中に含まれる遊離のPQQによるPLE反応の抑制を排除して測定することが,最も重要であることが判明した。PQQは反応性が高いために,容易にほとんどすべての蛋白に非共有結合で結合し,測定に際して遊離し,測定を防害する恐れがあるからである。これらを考慮して,PLEや他の蛋白に遊離のPQQを保持させないように,あらかじめPLEなどを高い塩濃度で処理することで、それらのPQQを除去できることを明らかにした。次に,PQQを補酵素としている酵素のうち,PLEの存在するところには常に存在する酵素,グルコ-ス脱水素酵素,ポリビニルアルコ-ル脱水素酵素などから容易にPQQが移動する現象を見出した。これもまたPQQの測定を防害する要因にあげられるからである。これらの酵素にはPQQが非共有給合で補酵素として存在しているが,理化学的環境条件の変化で,PQQは容易に脱離する。これら上記の2つの要因を加えてもなおPQQの生成量が,PLE反応の反応時間,基質濃度,PLE濃度に依存することを証明した。また,PLEを熱処理すると,PQQ生成が完全に停止することも明らかにした。 上記の結果の一部は第2回国際PQQシンポジウムにも発表し,今後の検討課題について多数の研究者の意見を得ることができた。
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