研究課題/領域番号 |
02454066
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
五十嵐 恒夫 北海道大学, 農学部, 教授 (80001501)
|
研究分担者 |
渋谷 正人 北海道大学, 農学部, 助手 (10226194)
林田 光祐 北海道大学, 農学部附属演習林, 助手 (10208639)
夏目 俊二 北海道大学, 農学部附属演習林, 助手 (30180532)
船越 三朗 北海道大学, 農学部附属演習林, 助手 (60001476)
|
キーワード | アカエゾマツ / 天然更新 / 落葉層 / 野ネズミによる種子捕食 / 種子腐敗病 / <Racodium>___ー <therryanum>___ー / 地表かきおこし |
研究概要 |
アカエゾマツの天然更新、とくに更新初期段階における阻害要因として、落下種子や発芽直後の稚苗を侵す病原菌、種子を摂食する野ネズミや鳥類、L層やAo層など表層土壌の乾燥、稚苗に対する陽光不足が重要と考えられる。平成2年度には、これらの阻害要因と考えられる因子を詳細に追究するために以下の調査を行った。 1.積雪下で種子を侵害する菌類について 予備的試験として、前年積雪前に林地においたアカエゾマツ種子を融雪直後(6月中旬)に回収し、種子内に侵入した病原菌を分離し、形態的、生理的特徴からその大部分は<Racodium>___ー <therryanum>___ーと同定した。この病原菌は、土壌表層のどの層に潜在しているのか、種子を侵す程度、およびその他の病原菌の有無を明らかにするための試験地を雨龍、苫小牧、中川演習林に設けた。すなわち、林床のL層除去、F層除去、Ao層除去、無処理の土壌に、アカエゾマツの種子をおいた。この種子は本年融雪直後に回収し、種子内に侵入した病原菌の分離・同定を行い、土壌各層に潜在する病原菌の種類、密度、病原性を明きらにする。 この病害は、秋季に林床に落下した種子が、冬期間に積雪下で病原菌に侵され生命力を失うという特異なものであるので、発病環境解析のためAo層の温度変化の測定も開始した。 2.動物による種子の被食について アカエゾマツ天燃林内、地表植生を剥ぎ取った人工裸地に種子をおき、野ネズミによる捕食を調査した。林内に置いたアカエゾマツ種子は、一週間以内に全て捕食された。人工裸地では、林縁から距離がへだたるにつれ捕食されるまで時間がかかり、20m離れた所では積雪時まで捕食されなかった。
|