研究概要 |
1.主要針葉樹の葉緑体DNAの抽出 抽出条件を次のようにし、葉緑体DNAの抽出を行った。約30gの葉組織をホモジネ-トし、瀘過し、その後ショ糖の不連続密度勾配法(15,40,60%)で葉緑体を抽出した。これを塩化セシウムの連続密度勾配法にかけ、葉緑体DNAを抽出した。対象とした針葉樹は以下の5属12種である。スギ・ヒノキ・カラマツ・アカマツ・クロマツ・チョウセンゴヨウ・ストロ-ブマツ・キタゴヨウ・トウヒ・エゾマツの10種について葉緑体DNAの単離に成功した。 2.葉緑体DNAの分子量の推定 抽出した葉緑体DNA分子量の推定を4種の制限酵素(PstI,SalI,SacI,XhoL)を用いてスギ、カラマツについて行った。その結果、スギは約132kbpでカラマツは約110kbpであった。 3.スギ葉緑体DNAのライブラリ-の作製 SalIで切断したスギ葉緑体DNAのフラグメントをpUC18を用いてクロ-ニングを行った。その結果全体の約6割に当たるフラグメントのクロ-ニングに成功した。 4.スギ葉緑体DNAの物理地図の作製 4種の制限酵素(PstI,SalI,SacI,XhoI)を用いて物理地図の作製を行った。用いたプロ-ブはスギSalIライブラリ-の8種のフラグメント、コムギ葉緑体のDNAフラグメント8種及びタバコ葉緑体DNAから単離した光合成関連の遺伝子プロ-ブ16種(rpl16,rpoB,rpoC,psaB,atpI,psbA,16S,23S,psaA,rbcL等)である。その結果、コムギ及びタバコとは大きく構造が異なっておりインバ-テッドリピ-トは存在しなかった。
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