研究課題/領域番号 |
02454067
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大庭 喜八郎 筑波大学, 農林学系, 教授 (80176982)
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研究分担者 |
内田 煌二 筑波大学, 農林学系, 講師 (10015670)
荻原 保成 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (40185533)
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キーワード | 葉緑体DNA / 針葉樹 / スギ / 物理地図 / 構造解析 / 系統進化 |
研究概要 |
1.葉緑体DNAの物理地図の作成 スギの葉緑体DNAを制限酵素PstI、SalI、SacIおよびXhoIの4種を用いて単切断および二重切断を行ないゲノムサイズは133kbpであることを確かめた。物理地図作成のプロ-ブとして、すでに解析が終了しているコムギとタバコの葉緑体DNAフラグメントをそれぞれ8種と2種、タバコの葉緑体DNAから単離された光合成関連のプロ-ブ17種ならびに20種の遺伝子(psaA、psaB、psbA、psbC、D、psbE、F、atpAなど)を用い、ハイブリダイゼ-ションを行いゲノム構造を解析した。その結果、タバコの葉緑体を起源的なものと仮定すれば、少くとも6回のイベント(1回の欠失および5回のインバ-ジョン)が生じてスギの葉緑体ゲノムに至ったと推測された。なお、ヒノキとカラマツについても計画し、DNAの単離とその分子量の推定には成頃したが、使用プロ-ブ数を多くしてスギの葉緑体DNAの物理地図の作成に集中した。 2.わが国の主要針葉樹の葉緑体DNAのRFLP分析による系統分化の研究 昨年度、抽出・単離に成功したスギ・ヒノキ・アカマツ・クロマツ・チョウセンゴヨウ・ストロ-ブマツ・キタゴヨウ・カラマツ・トウヒ・エゾマツの5属10種について葉緑体DNAをPstI、SalIを用いて制限酵素分析をした。マツ属5種については、2種の制限酵素SacIおよびXhoIを追加して分析した。これらのRFLP分析のデ-タをもとにして、系統樹作成プログラム:PHYLIPを用いて系統樹を作成した。その結果、マツ属は二葉松と五葉松の樹種群に分かれ、マツ科樹種で大きなクラスタ-を形成した。これらの系統樹構成の関係は従来の分類体系に合致していた。
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