研究課題/領域番号 |
02454070
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々 恭二 京都大学, 放災研究所, 助教授 (30086061)
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研究分担者 |
日浦 啓全 高知大学, 農学部, 助教授 (30046495)
平原 和朗 京都大学, 放災研究所, 助教授 (40165197)
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キーワード | 地すベり / 斜面崩壊 / 人工衛星測量 / GPS / 災害危険地図 / ハザ-ドマッピング |
研究概要 |
近年、著しく進歩した人工衛星測量(GPS)を用いて斜面土層の変動を観測し、斜面崩壊・地すべりの危険度を予知するために、本年は次り研究を行った。 1)GPSを地表変動観測に用いる場合の長所・欠点・注意を要する点を多方面から総合的に検討するために、地すべり学会関西支部に協力を呼びかけ、「地すべりとGPS」と題した研究会を開催した。そして地震予知の研究のために長スパン(100km以上)の観測を行っている地球物理研究者と岩盤変位の計測のために中スパン(数km)の観測を行っている土木研究者、及び短スパン(1km以下)の観測を行ってきた申請者らで集中的に討論を行った。その結果、GPSの地盤変位の測定への応用としては、スパンが短く(短いほどGPSの精度はよくなる)変位量が大きい地すベり計測が、もっとも実用化の可能性が高いこと;GPS測量が広く斜面危険度監視に用いられるには、現在用いている米国製の相対測位用GPS測定機では高価すぎる(数千万円)ので、ヨットや自動車の位置確認用に近年日本で市販され出した安価(10ー30万円)な単独測位用のGPS測定機を改造し、高精度の地表変動測量ができるようにする方法について検討した。 2)徳島県の善徳地すべりにおいて、斜面の移動を三次元的に把握する3次元せん断変位計を過去2年間に50台、250mの区間に設置したが、GPSによる三次元測量との対比にはまだ距離が不十分だったので本年度にさらに30台増設し、測定スパンを400mとした。平成4年度には550mにまで延長の予定である。 3)GPS測量及び三次元せん断変位計による三次元地表変動観測に三次元的視覚表示法としてCAD(Computer Assisted Design)を用いて斜面の変動状況が立体的に一目でわかる方法を開発した。
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