研究課題/領域番号 |
02454072
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹下 敬司 九州大学, 農学部, 教授 (20117154)
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研究分担者 |
森田 紘一 九州大学, 農学部, 助手 (10038341)
丸谷 知己 九州大学, 農学部, 助教授 (40112320)
綿引 靖 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助手 (70128114)
中尾 博美 九州大学, 農学部, 助教授 (40038188)
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キーワード | 斜面崩壊 / 地すべり / 根系ブロツク / 耐圧縮強度 / ア-チ構造 |
研究概要 |
崩壊の発生に対する安定解析は、従来、斜面の2次元縦断面における滑り面上での力関係で検討されていたが、新たに側壁抵抗の役割が大きいことが見いだされた。そして、側壁抵抗を維持し、側壁抵抗を生じるための側圧伝達機構として、崩壊しようとする土層内に潜在的にア-チ構造が形成されていることが想定されるにいたった。この構造の実在を検証するために実験と調査をおこなった。 湿潤砂層による崩壊実験において、砂層内にマイクロ土圧計を配置し、傾斜度の変化に応じた圧力の変化を測定し、あわせて、その時の力線の方向を解析した。結果として、崩壊発生の直前に側圧力が高まり、また、その時点での力線の軌跡がア-チ型を示していることが見いだされた。土圧計の数が不足していたため、精度の高い結果は得られなかったが、この点に関しては、次年度で明らかにしたい。 数多くの実在崩壊地の形状を測定して、ア-チの存在を検討した。その結果、崩壊地の頭部崖面や、崩れ残りの亀裂がア-チ型を示し、また、崩壊地の側壁に、斜め下方に向かう数多くの亀裂が分布していて、ア-チの存在を指標していることが見いだされた。側壁は凹凸の激しいせん断面を形成しており、そこに、強い抵抗が働いたことを物語っている。 草地に覆われた火山灰斜面では、幅広い崩壊面が出現している。均質な等深土層で覆われた平滑な斜面では、側壁にア-チ構造を支える明確な支点がが無いため、ア-チ構造が途中で遮断されることなく、完全に現われる確率が高いものと想定された。測量の結果、40m〜50mの曲率半径を持つア-チ構造が形成されていることが認められた。
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