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1992 年度 実績報告書

森林山地における斜面崩壊発生の3次元的機構と森根系の抵抗機能

研究課題

研究課題/領域番号 02454072
研究機関九州大学

研究代表者

竹下 敬司  九州大学, 農学部, 教授 (20117154)

研究分担者 森田 紘一  九州大学, 農学部, 助手 (10038341)
丸谷 知己  九州大学, 農学部, 助教授 (40112320)
綿引 靖  九州大学, 熱帯農学研究センター, 助手 (70128114)
中尾 博美  九州大学, 農学部, 助教授 (40038188)
キーワード山崩れ / 地すべり / 氷河 / 森林根系 / 森林の崩壊防止機能 / 台風災害 / 土層構成
研究概要

これまでの本研究の結果として,山崩れの発生に対する安定解析は,斜面の縦断面における2次元的な機構に加えて平面的な機構(3次元的機構)の存在が想定されるにいたった.本年度は,引き続き,3次元的な機構として崩体内にアーチ構造が形成され,崩壊の側壁面で抵抗が発生していることを仮説とし,その構造の実在を裏付ける力学的な機構と,現地での実態把握,それが粘着力,摩擦力に対比して,どのくらいの大きさの抵抗を果たしているかを検討した.
これまで,傾斜面での土層内に生じる土圧は,連続体としての条件下で現れ,伝達されるものとして検討されてきているが,新たに,土層がアーチ形状のブロックに分割されて存在し,圧力もアーチに沿って側方に伝達されることが確かめられた.まず,模型斜面の崩壊実験で,土層内での圧力分布を検討した結果,崩壊発生時に中央から側方に向かう圧力が生じ,その力線がアーチ型の曲線形状をとることが,ほぼ明らかとなった.つぎに,アーチブロックの実在調査の結果,急激運動の山崩れでは把握しにくいが,動きが緩慢な地辷りや,氷河において,分割形状が,具体的なアーチ形状のブロックとして存在していることが確かめられた.あわせて,ガリー侵食によって,地辷りが発生しやすくなること,氷河のU字谷形成機構が説明された.
平成3年度の19号台風による森林の倒状被害は,根系の脱落,攪乱によって土層構造を劣化させ,2次的に土砂災害を引き起こすことが恐れられている.その場合の土層状態の変化と崩壊発生の実態をもとに,根系の効果,すなわちアーチ構造の効果を検討した.結果として,滑り面の単位面積当たりの単位体積の土層に対しては,粘着力とほぼ同値の,側方抵抗を生じさせていることが推定された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Keiji TAKESHITA H.NAKAO K.WATAHIKI: "The resistance of the “Latent arch structure" working on three dimensional mechanism in a land sliding slope." Proceedings of INTERPRAEVENT 92 Band 2. 21-35 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2013-10-03  

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