研究課題/領域番号 |
02454075
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
作野 友康 鳥取大学, 農学部, 教授 (10032567)
|
研究分担者 |
川田 俊成 鳥取大学, 農学部, 助手 (40214655)
古川 郁夫 鳥取大学, 農学部, 助教授 (50032313)
橋詰 隼人 鳥取大学, 農学部, 教授 (60032075)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
キーワード | キチン質 / キトサン / キトサンオリゴ糖 / 木材の耐朽性 / 防腐剤併用処理 / 光変色防止 / 樹木生理活性 / 水耕栽培 |
研究概要 |
キチン質の中で特にキトサンを用いて木材の耐朽性あるいは表面耐久性などの改良ならびにキトサンオリゴ糖による樹木の生理活性の促進作用などについての基礎的検討を行った。その結果つぎのような結果が得られた。 1.高分子キトサンを酸加水分解法によって段階的に分解して、低分子キトサンあるいは重合度2-9のキトサンオリゴ糖を製造することに成功した。一方、キトサンの構成単位であるD-グルコサミンから新しい機能を持つON型二糖の合成、さらに、これを繰返し単位として一定重合度のキトサンオリゴ糖を合成する方法を確立した。 2.キトサンオリゴ糖を水耕液に添加して、樹木幼苗の水耕栽培を行ったところ、ごく微量のキトサンオリゴ糖が樹木の生理活性機能を持っていることが明らかになった。すなわち、広葉樹にシラカンバを、針葉樹にヒノキを用いて水耕栽培を行ってオリゴ糖の影響を検討した。その結果、それぞれの樹木幼苗に対して、それぞれ特定の重要度あるいは濃度のキトサンオリゴ糖が生長促進または阻害効果のあることが明らかになった。 3.高分子あるいは低分子キトサンを木材表面に塗布することによって木材の耐朽性、接着耐久性および耐光変色性を向上させる効果のあることが明らかになった。 4.木材の耐朽性能については、キトサンで前処理した後ごく少量の市販防腐剤で処理することによって、かなりの耐朽性能を向上させることが明らかになった。すなわち、キトサン膜に微量の防腐剤成分を分布させていることが走査電子顕微鏡のX線解析によって確認することができた。そして、このキトサン膜が菌糸の侵入を阻止することによって防腐性能が向上するものと考えられる。
|