研究概要 |
まぐろの視程は主に海中の光環境で制限される。従って,水中の光環境は操業海域によって変るので,まぐろの視認限界距離は相異する。 操業海域の海水の光学的性質をJerlou(1964)に従って3種類:oceanic type I,II and IIIとした。前者はインド洋,中者は太平洋,後者は大西洋・地中海に該当する。 本研究では,まぐろが視認[線視力:0.90,視力の5倍]する対象物体は枝縄漁具(ワイヤ-・ナイロンテグス)と餌(鯖)である。それらの規格は次の通りである。 直径(尾又長) 色彩 固有のコントラスト ワイヤ-: 1.7mm 鉛色 6.3 テグス: 2.0mm 乳黄色 1.1 鯖: 250.0mm 青緑色 16.0 昼間(水深50m前後)における水中視認限界距離は次表の通りである。この表から,太平洋ではまぐろは遠方(約16m水平臨離)から餌を視認し,約2.6mの手前でワイヤ-を,1.0mの手前でテグスを,それぞれ認識していることが判る。この結果は資材開発に奇与する。 Typr I II III 照度の消散係数(475nm) 0.018m^<-1> 0.062m^<-1> 0.116m^<-1> 光束消散係数(486nm) 0.10m^<-1> 0.30m^<-1> 0.50m^<-1> ワイヤ- 3.8m 2.6m 2.1m テグス 1.3m 0.9m 0.8m 鯖 35.0m 16.0m 11.0m
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