研究課題/領域番号 |
02454080
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70221330)
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研究分担者 |
中川 平介 広島大学, 生物生産学部, 教授 (00034471)
荒井 克俊 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (00137902)
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キーワード | 純系魚 / 異数体 / 雌性発生二倍体 / 雄性発生二倍体 / 倍数化 |
研究概要 |
紫外線照射配偶子を用いて、雌性あるいは雄性発生を誘起し、さらに第1卵割を水圧処理によって阻止して染色体を倍数化し、生存能力のある純系魚作出を目的に研究を行い、次の成果を得た。 1 照射精子媒精卵を、30〜35分後に800kg/cm^2、1分間処理を行うことにより、生存性の雌性発生二倍体が得られた。これらのアイソザイム遺伝子座の検討を行ったところ、同型接合の純系であることが判明した。 2倍数化処理雌性発生群の胚は、一般に生存率低く、染色体観察の結果、半数体や構造異常を伴った異数体がみられ、これが生存率低下を招く大きな要因となっていることが推察された。 3卵割阻止型倍数化の成功率の高い卵を産出した雌親を用い、再度雌性発生二倍体作出を試みたところ、再び高い生存率が得られ、倍数化における親魚の遺伝性が示唆された。 4照射卵を正常精子媒精後、同様の倍数化処理を行ったところ、生存性の雄性発生二倍体が得られた。劣性遺伝子支配の緋色を指標とした実験で、卵割阻止型雄性発生二倍体であることが照明できた。これらも、父方ゲノム由来の純系魚と判断された。 5紫外線照射卵で雄性発生した胚の染色体を調査した結果、正常染色体を持つ胚の外に、種々の染色体断片を伴う異数体が数多く存在することが判明し、これが雄性発生二倍体の生存率の低い大きな要因となっていることが推察された。
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