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1992 年度 実績報告書

農畜産物の価格形成における品質格差の実態と要因に関する事例的基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454083
研究機関北海道大学

研究代表者

三島 徳三  北海道大学, 農学部, 助教授 (40002365)

キーワード牛肉 / 豚肉 / 格付け / 価格差 / 品質格差
研究概要

平成4年度では食肉(具体的には牛肉、豚肉)を対象に産地事例分析と市場データの収集・分析を行った結果、品質の評価基準、および品質格差と価格形成との関係について、以下の点が明らかにされた。
1.牛肉および豚肉に対して、社団法人・日本食肉格付協会が行っている取引規格の実際を調査し、格付け結果の客観性について分析した。その結果、例えば1988年〜91年の4年間における全国の格付け結果をみると、和牛去勢では、A5が24.2〜25.9%、A4が23.2〜26.1%、乳用牛ではB3が34.0〜36.3%、B2が38.2〜39.8%の範囲にそれぞれ収まっており、規格ごとの毎年のフレは非常に少ないことが明らかになった。
2.格付けと価格との関係については、東京都中央卸売市場のデータを分析したが、両者のあいだには明瞭な対応関係がある。とくに需給が逼迫し、平均価格が高値で推移している時には、品質間の価格差は縮少し、逆に需給が緩和し平均価格が安値で推移している時には、品質間の価格差が拡大する傾向があることが明らかになった。
3.テーブル・ミートにおける部位別価格差の実態に接近するため、ある産地ミート・センターの生協向け豚肉供給価格のデータを分析した。これによると、豚肉では最高価格のヒレと最低価格の挽肉とのあいだには約4倍の開きが存在している。だが、これは1頭当たりの正肉の部位別供給量に制約があるなかで、需給のバランスを取るための誘導的価格差の意味合いがつよい。
4.差別化商品に対する流通業者の要望のなかで、バークシャー系の銘柄豚の生産に取り組む生産者が増加している。だが、調査したかぎりでは、これらは飼育期間が長く、かつ枝肉歩留りが悪いにもかかわらず、価格補償がきわめて不十分にしかなされていないことが明らかになった。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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