研究課題/領域番号 |
02454084
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 光剛 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40018528)
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研究分担者 |
内田 煌二 筑波大学, 農林学系, 講師 (10015670)
多田 敦 筑波大学, 農林工学系, 教授 (50133012)
杉山 博信 筑波大学, 農林工学系, 講師 (60015807)
真板 秀二 筑波大学, 農林工学系, 講師 (50015864)
佐藤 政良 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (70021722)
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キーワード | 流量変動 / 利水パターン / 水利用効率 / 土砂移動 / 湧水温 / 侵入能 / 反復利用率 |
研究概要 |
本研究は、広域の水田地域での利水を主体とした水循環系の効率を規定する概念の確立を目的として、次の諸点にわたる研究を行った。 (1)広域の水系として信濃川(千曲川を含む)を研究対象として、主な流量観測点での年間の流量変動特性を表現するとみられる利水パターン指数の概念を導入した。そのパターン指数は、支配する流域内での土地利用の状況に応じて、規則性をもって変動することが明らかになった。 (2)水系レベルの水循環の中における水利用という視点から、千曲川上流部のような中山間地域における水田水利用をとらえ、その水利用が、流域全体の水利用効率を上昇させることを、流量記録の分析によって検討した。 (3)昨年度までの観測を引き続いて行うとともに、河道内の十砂移動について1986年からの資料も加えて検討し、河道内の不安定土砂の分布が重要であることを明らかにした。また、水温等の解析から、斜面の向きによる山体の蓄熱過程の違いが、湧水温の違いをもたらすこと、湧水の河川への浸出および日射が河川水温を形成していることを明らかにした。 (4)本年度は、浸入能測定と合成逓減曲線の作図を、検討項目として新たにとりあげた。シリンダー法によると、60分浸入能は800(mm/h)であって、日本の山地域における平均値(200(mm/h))と比べてかなり大きい。逓減係数(0.043(d^1))より判断して、揚水量に達するまでに23日程度を要する。 (5)本年度は、長野県南佐久郡海ノ口町藤ノ沢地区において、土地利用変化に伴う用水反復利用率の変化を調査した。調査結果は、水田圃場が約44%休耕されたため、用水の反覆利用率が80%となり、用水水温の上昇の減少など水温にも悪影響を及ぼしていた。
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