研究概要 |
本研究は,接触曝気方式による農業集落排水処理施設を対象とし,維持管理費の70〜80%を占める電気代の節減を計りながら,安定した処理性能を得るための合理的な運転管理方法を明らかにしようとするものである。 本年度は,滋賀県愛東町青山集落排水処理施設と同施地内に設置した小型モデル実験装置を利用して実験を行った。また,青山処理施設で得られた過去のデ-タを用いて数量化解析を行い,この施設の窒素除去性能に,どのような因子がどのくらいの影響をあたえているか等についても検討した。 1.青山処理施設での実験では,(1)曝気槽内の接触材を定期的に逆洗浄することは,曝気槽での大型後生動物の大量発生を予防する手段として有望であること,(2)ブロワ-の間欠運転により約1割の消費電力量の節減が図られたこと等が明らかとなった。 1.小型モデル実験装置を用いた実験では,(1)大型後生動物の発生が曝気槽の硝化性能に大きな影響をおよぼすことが確認された。(2)また,この発生が曝気槽流出水のBOD,SS,COD濃度を高くしたり,透視度を低下させたりすること等もわかった。 3.数量化解析の結果からは,大型後生動物の発生状況,ブロワ-の運転時間,返送比,曝気槽へのBOD負荷,が施設の窒素除去性能に特に大きな影響をあたえること等が明らかとなった。
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