研究概要 |
1)養豚排水の公共下水への放流調査について 養豚排水を公共下水道へ直接放流する事例について調査した。都市近郊型の畜産では農村部にまで延伸してきた公共下水道を利用した汚水処理が一部で行なわれるようになってきたが,経費や一般住民との感情問題,行政サイドの対応など今後への課題は多いことが分かった[畜産の研究・46,998-1002,1992]。 2)土壌処理におけるミミズの浄化効果について ミミズ(Eisenia foetida)の汚水除去効果について検討した。その結果,浸透性の保持,溶存酸素量の増加,アンモニア性窒素の減少,そして作物の収穫量増大につながる結果を得た[家衛研会報・36,19-26,1992]。 3)土壌処理における一次処理水の性状と動態について 一次処理水の土壌中での性状と動態について検討した。その結果,栽培床の草勢は土壌層の影響を受け,採水量が多い地点,つまり養分が多い所の草勢は良好となりやすかった。一次処理水の浄化との関係では、採水量の違いが各分析項目に影響したと考えられた。土壌の水分状態の違いは土壌中の汚水の浸透性によるものであり,汚水の浸透する状態(拡散,浸潤)は基礎土壌以下の条件により異なってくることが推察された[家衛研会報・37,掲載予定,1993]。 4)土壌処理プロセスに関与するミミズの養生条件について 家畜尿汚水の土壌処理のプロセスにミミズ(Lumbricus rubellus)を組込み,効率的に活動させるために,その土壌の養生条件について調査した。その結果,ミミズの養生には黒土80%にpH調整済みのピートモス20%を混合したもので,水分は70%前後,pHを弱酸性に設定した土壌が良好であることが確認された。[家衛研会報・37,掲載予定,1993]。
|