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1991 年度 実績報告書

発情行動発現の中枢分子機構:シバヤギを用いた多元的解析

研究課題

研究課題/領域番号 02454101
研究機関東京大学

研究代表者

森 裕司  東京大学, 農学部, 助教授 (40157871)

研究分担者 柴田 秀史  東京農工大学, 農学部, 助手 (50145190)
西原 真杉  東京大学, 農学部, 助教授 (90145673)
キーワードLHサ-ジ / GnRH / 視床下部 / 多ニュ-ロン発射活動 / 内因性オピオイドペプチド / 脳内微小透析法 / 脳定位手術法 / シバヤギ
研究概要

本年度は平成2年度の継続として、卵巣摘除シバヤギにエストロジェンを投与しLHサ-ジを誘起した際における視床下部GnRHニュ-ロンの神経内分泌活動の変化について検討を行った。
1)多ニュ-ロン発射活動(MUA)記録解析システムによる電気生理学的解析
覚醒・無拘束状態の動物から、下垂体LHのパルス状分泌と同期する視床下部内側底部MUAの特異的上昇をリアルタイム記録しながら以下の実験を行った。
(a)LHサ-ジとGnRHパルス分泌調節機構の関連
LHサ-ジ期間中にもMUAの定期的上昇は継続し、その頻度はサ-ジ成立後に有意に低下した。すなわち、LHサ-ジの成立はGnRHパルス頻度の上昇によるとする従来の仮説は否定され、パルスジェネレ-タ-とは異なる神経機構の関与が示唆された。
(b)内因性オピオイドペプチド(EOP)の役割
卵巣ステロイドホルモンの存在下および非存在下で、EOPの受容体拮抗薬であるナロキソンを投与し、MUAに与える影響を検討した。いずれの条件下でもMUA上昇の頻度は増加し、GnRHパルス分泌調節機構におけるEOPの抑制的関与が示された。
2)脳内微小透析法によるGnRH神経分泌活動の解析
覚醒無拘束状態で視床下部GnRHニュ-ロンの神経分泌活動を解析する方法の確立を目的として以下の実験を行った。
(a)微小透析法の基礎検討
in vitro実験によりGnRHの回収条件を検討したのち、透析プロ-ブをシバヤギ正中隆起部に脳定位手術的に留置しin vivoでの灌流試験を行った。その結果、LHパルスと相関するGnRHの律動的分泌パタ-ンが観察され、本法を脳内GnRH分泌動態の解析に応用することが可能となった。
(b)LHサ-ジ時におけるGnRH分泌パタ-ン
上記の実験モデルを用いてエストラジオ-ル投与時のGnRH分泌パタ-ンを調べたところLHサ-ジの開始と一致する明暸なGnRH分泌の上昇が観察され、LHサ-ジはGnRHサ-ジによって引き起こされることが明かとなった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Mori Y,Nishihara M,Tanaka T,Shimizu M,Yamaguchi M,Takeuchi Y,Hoshino K: "Chronic recording of electrophysiological manifestation of the hypothalamic gonadotropinーreleasing hormone(GnRH)pulse generator activity in the goat." Neuroendocrinology. 53. 392-395 (1991)

  • [文献書誌] Tanaka T,Mori Y,Hoshino K: "Hypothalamic GnRH pulse generator activity during the estradiolinduced LH surge in ovariectomized goats." Neuroendocrinology. (1992)

  • [文献書誌] Yamaguchi M,Manabe Y,Tanaka T,Mori Y,Hoshino K: "In vivo analysis of GnRH secretion with microdialysis technique in conscious goat" J.Reproduction and Development.

  • [文献書誌] Hamada T,Shimizu T,Ichikawa M,Mori Y: "Immunohistochemical study on GnRH neurons in the Shiba goat brain." J.Reproduction and Development.

  • [文献書誌] Manabe Y,Yamaguchi M,Tanaka T,Mori Y: "Estradiolーinduced GnRH surge assessed by microdialysis technique in ovariectomized goats." Neuroendocrinology.

  • [文献書誌] Ito K,Tanaka T,Mori Y: "Opioid peptidergic control of GnRH pulse generator acitivity in ovariectomized goat." Neuroendocrinology.

  • [文献書誌] 森 裕司,前多 敬一郎,(千葉 喜彦,高橋 清久編): "時間生物学ハンドブック" 朝倉出版, 558 (1991)

  • [文献書誌] Yuji Mori(ed.A.Yokoyama): "Brain Control of the Reproductive System" SpringerーVerlag, (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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