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1992 年度 実績報告書

ほ乳動物の生体時計機構の培養下システムの関発とその分子細胞学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454105
研究機関宮崎大学

研究代表者

江藤 禎一  宮崎大学, 農学部, 教授 (70081510)

研究分担者 村上 昇  宮崎大学, 農学部, 助手 (80150192)
キーワード生物時計 / サーカディアンリズム / 視交叉上核 / バゾプレッシン / 培養細胞 / 松果体
研究概要

ほ乳動物の生体時計機構に関する研究では、本年度は時計機構に関わる蛋白質の検索を行った。明暗条件下及び恒常暗下で飼育されるラットを3時間間隔で屠殺し、脳を取りだした後、視交叉上核をパンチアウト方で採取した。これを機械的に細胞に分離し、^<35>S-メチオニンを含む培養液で3時間培養し、その間合成された蛋白質を電気泳動法で分離し、これをオートラジオグラフィーにかけた。さらに、イメージスキャナーで時刻依存性に合成された蛋白質を検索した結果、64-kDa蛋白質のみリズムを示すことを見いだした。このリズムには二つのピークがあり、一つはCT6-9時と他方がCT18-21時であり、これらは光や蛋白質合成阻害剤で時計が位相転移する時刻と一致した。また最近、植物で見いだされた時計関連蛋白質と全く同一分子量であることから、視交叉上核で見いだされたこの64kDa蛋白質は時計の本質に関わる可能性が高い。
次に、鳥類の生体時計局在部位である松果体について検討した。鳥類の松果体から分泌されるメラトニンは時計のリズムを反映し、夜に高く昼に低いパターンをしめす。このメラトニンは鳥類の行動を抑制的に作用し、夜間の上昇は行動を抑制している。しかし、夜行性鳥類にこの仮説が当てはまれば、夜の行動が抑制される事になり、矛盾する。そこで夜行性鳥類のふくろうについて検討した結果、ふくろうの松果体は体形に退化しつつあり、メラトニン分泌も極めて低い事が判明した。すなわち、夜間の行動はメラトニンが抑制されているため可能であると推察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Murakami,N.Takamure,M.Takahashi,K.Utunomiya,K.Kuroda,H.Etoh,T.: "Long-term culfured neu rone from rat supra chiasmatic nucleus retain the capacity for circadian oscillation of vasopressin release." Brain Research. 545. 347-350 (1991)

  • [文献書誌] Takamure,M.Murakami,N.Takahashi,K.Kuroda,H Etoh,T.: "Rapid reentrainment of the circadian clock itself,but not measurable activity rhythms in the rat." Physiology & Behavior. 50. 443-449 (1991)

  • [文献書誌] 村上 昇: "鳥類松果体細胞での時計関連蛋白質の存在" ホルモンと臨床. 39. 11-16 (1991)

  • [文献書誌] 村上 昇,黒田 治門 江藤 禎一: "分離松果体細胞の日周リズム" 生体の科学. 42. 585-588 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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