研究課題/領域番号 |
02454109
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 千葉大学, 医学部, 教授 (70009116)
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研究分担者 |
小宮山 政敏 千葉大学, 医学部, 助手 (70175339)
豊田 直二 千葉大学, 医学部, 講師 (00188822)
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キーワード | 筋原線維形成 / コネクチン / ネブリン / 横細管 / 筋小胞体 / 細胞接着装置 / 発生 |
研究概要 |
1.筋原線維形成と筋巨大蛋白質(コネクチンとネブリン)との関係:ニワトリ胚の心筋と骨格筋と培養細胞を用い、筋原線維形成過程におけるコネクチンとネブリンの発生を蛍光抗体法で観察した。(1)I-Z-Iを構成する蛋白質(α-アクチニン、アクチン、トロポニンI)に対する抗体に反応する横紋をもたない細線維はまず抗ネブリンと、その後抗コネクチンと抗ミオシンに反応するようになった。このことから、ネブリンとコネクチンは初期のI-Z-Iの形成には必要ないと考えられた。(2)ネブリンの周期的な配列(シングレット)は時間的・位置的にα-アクチニンと一致して現れ、コネクチンの出現(ダブレット)はミオシン(A帯)と同調していた。すなわちネブリンはI-Z-Iに組み込まれた後にα-アクチニンと密接に関係して発生すること、またコネクチンはミオシンと共に発生し、ミオシンとZ線との結合に何らかの役割を果たしていることが考えられた。(3)ネブリンの縞はZ線と一致した一本線(シングレット)に見えたが、発生が進につれZ線の両側に並ぶ2本線(ダブレット)となった。このように、ネブリンの発生は他の蛋白質よりも遅いので、ネブリンは筋原線維の骨組みを作らないと考えられた。 2.筋原線維形成と細胞小器官:(1)培養ニワトリ胚骨格筋細胞およびラットの伸展した中間広筋を凍結割断ディープエッチ法および高圧電顕法で観察した。横細管系は筋細胞膜の数珠状の落ち込みより形成されること、筋小胞体は筋原線維および横細管系の周期的配列に先行して形成されることを見出した。(2)急速凍結置換法によりニワトリ胚心筋を電顕で観察し、細胞間接着の微細構造を従来の化学固定法によるよりも明瞭に観察することができた。
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