研究分担者 |
野村 嶬 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60034188)
小西 昭 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00025660)
重本 隆一 京都大学, 医学部, 助手 (20221294)
金子 武嗣 京都大学, 医学部, 助手 (90177519)
伊藤 和夫 京都大学, 医学部, 助教授 (60093184)
|
研究概要 |
1.線条体斑状構造(PatchとMatrix)の免疫組織化学的解析 ラット線条体の斑状構造を,グルタミナ-ゼ単クロ-ン抗体を用いて,免疫組織化学的に分析した。グルタミナ-ゼ免疫活性は線条体全域のニュ-ロピルに分布していたが,特に島状の部位に強く認められた。この部位は,アセチルコリン合成酵素の免疫活性が弱い部位に一致しており,Patchに相当すると考えられる。さらに,破壊実験を組合せることによって,次のような結論を得た。線条体のPatchは線条体内部のグルタミン酸作動性ニュ-ロンとGABA作動性ニュ-ロンの支配を強く受ける。これに対して,線条体のMatrixは大脳皮質に由来するグルタミン酸作動性投射線維の支配を強く受けるほか,線条体内部のアセチルコリン作動性ニュ-ロンに由来する入力線維の支配をも強く受ける。 2.大脳皮質から孤束核への局在投射の解析 一次内臓性入力線維を受ける孤束核について,大脳皮質からの局在投射を標識法を用いてネコについて検討した。眼窩回皮質に由来する投射線維は孤束核の吻側3分の2に分布し,辺縁下皮質と前シルヴィウス回皮質に由来する投射線維は孤束核の全域に分布する。 3.三叉神経感覚核群に分布するCGRP線維とSP線維の解析 ネコの三叉神経感覚核群に分布するCGRP免疫活性陽性線維とSP免疫活性陽性線維を免疫組織化学的に分析した。三叉神経感覚核群に分布するCGRP線維はすべてSP免疫活性を示し,三叉神経節およびC1〜C3後根神経節に由来する一次入力線維である。一方,三叉神経感覚核に分布するSP線維のなかにはCGRP免疫活性を示さないものがあり,これらは中枢神経系内にその起始を持つ。
|