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1991 年度 実績報告書

膵β細胞Kチャネル活動の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 02454117
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

北里 宏  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20079700)

研究分担者 尾松 万里子  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161397)
キーワードβ細胞 / 細胞内pH / K^+ channel / 細胞内ATP
研究概要

膵β細胞は細胞外glucose濃度の上昇に反応して脱分極する。この脱分極は細胞内ATP濃度の上昇によると考えられている。この研究に於て,細胞内ATP濃度を継時的に記録する方法を開発するのに努力を続けているが,未だ単一の細胞のATP濃度の測定には成功していない。その理由は細胞内に注入したlusiferinから発する光の強度が非常に小さいので,現有のphotomulitiplierでは充分に測定出来ないことにある。そこで,取りあえず,pH感受性蛍光色素の蛍光を指標として細胞内pHを測定することに研究の方向を一時的に変更した。細胞外液に25mMのNH_4OHを加えると,11.1mM glucose存在下でもβ細胞は再分極し,spike burstの発生は消失した。このとき,細胞内pHは約0.2程アルカリ測へ変化した。細胞外からNH_4Clを取去ると,細胞内pHは元のレベルより僅かに酸性となり,その後緩やかに元の値に戻った。細胞内pHがアルカリ性から元のレベルに戻るに従ってspike burstは再び出現した。同様の結果はmethylimidazoleを与えた実験からも得られた。これらの実験結果は細胞内pHの上昇に反応して開くK^+ channelが生理的な条件下で存在していることを示唆している。一方,Na^+/H^+交換輸送を抑制する目的で,細胞外Na^+濃度を25mMまで下げると,spike burstのdurationは減少し,spike burst間のsilent phaseのdurationも減少する。またsilent phaseの膜電位は脱分極側へ移動する。このように顕著な変化が膜電位には認められるにも拘らず,細胞内pHは殆んで変化しなかった。しかし,細胞膜直下ではpHが変化している可能性は残っている。この点を更に詳しく調べられると共に,細胞内ATP濃度測定法の開発も引き続いて進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Mariko OMATSUーKANBE: "Insulin stimulates the translocation of Na^+/K^+ーdependent ATP ase molecules from intracellular stores to the plasma membranes in frog skeletal muscle." Biochem.J.272. 727-733 (1990)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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