研究課題/領域番号 |
02454130
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森本 武利 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30079694)
|
研究分担者 |
仲井 幹雄 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60201662)
伊藤 俊之 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90168360)
能勢 博 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40128715)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | 体温 / 運動能 / 血液量 / 中心静脈圧 / 血管低抗 / 血管コンプライアンス |
研究概要 |
従来我々は、血液量が体温調節に重要な役割を持つことを報告し、その際の調節機転として、静脈系コンプライアンスおよび飲水行動の役割について報告してきた。 本研究では、血液量の変化が中心静脈圧の変化を介して、体温調節能および運動能の維持に重要な役割をもつことを明らかにすると共に、この調節系の求心路と遠心路を明らかにすることを目的とし、ヒトおよびラットを用いて一連の研究を行った。 その結果、ヒト運動時の中心静脈圧の連続測定法を確立し、その際の循環動態および各種ホルモンの測定に成功した。また運動能と血液量の関係を明らかにすることが出来た。ラットを用いた実験では、運動時の血液量および血液イオン濃度の連続測定に成功し、運動強度に比例した血液量の減少と血液Kイオンの増加の定量に成功した。ラット高温負荷時には、高体温領域において、総末梢血管低抗が上昇し、中心静脈圧がそれ以上低下することを防ぐ反応が生じること、またこの反応には中心静脈圧を入力とし、求心路としては迷走神経が関与し、これを切断するとその反応が約40%低下することを明らかにした。またその際の調節機構を明らかにする目的で、迷走神経の中枢端を電気刺激したところ、脈管コンプライアンスが上昇することを明らかにすることが出来た。またラット後肢の脈管コンプライアンスが全身のコンプライアンスよりも有意に小さく、血管そのものに後肢への血液貯留を予防する機能が備わっていることなどを明らかにすることが出来た。 また今回の実験より、今後の問題点として、血液性状の血球への影響とその末梢循環とのかかわり、および血液量保持因子としての血清蛋白の合成機能などの問題点が明らかとなり、今後これらの問題に取り組んで行く予定である。
|