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1991 年度 実績報告書

脊髄において痛覚伝達に関与する内因性活性物質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454133
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

大塚 正徳  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60013801)

研究分担者 鈴木 秀典  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30221328)
村越 隆之  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60190906)
吉岡 耕一  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00143579)
柳澤 光彦  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (90159252)
斎藤 公司  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (20002082)
キーワード痛覚伝達 / 単シナプス反射 / アデノシン / アデノシンアンタゴニスト / セロトニン / セロトニンアンタゴニスト / アデノシンデアミナ-ゼ / 下降性抑制
研究概要

1)痛覚伝達抑制におけるアデノシンの役割:脊髄におけるアデノシンの痛覚伝達抑制作用について調べる前に、本年度はまず、アデノシンの脊髄反射電位に対する作用について調べた。新生ラット摘出脊髄標本の前根から記録された単シナプス反射電位に対し、アデノシンおよびそのアゴニストは、DCレベルには影響を与えずに抑制した。アゴニストの力値の順位(LーN^6ーphenylisopropyladenosine(LーPIA),N^6ーcyclohexyladenosine>5'ーNーethylcarboxamidoadenosine>2ーchloroadenosine,DーPIA>1ーmehtylisoguanosine)およびアンタゴニスト(8ー(pーsulfophenyl)ーtheophylline,8ーcyclopentyltheophylline)の効果から、この抑制に関与する受容体はA_1受容体と考えられた。また、標本を無酸素状態に近付けると単シナプス反射は70%抑制され、この抑制はアデノシンアンタゴニストおよびアデノシンデアミナ-ゼの前処理によって完全に消失した。従って、無酸素状態では脊髄でアデノシンが放出され、これが単シナプス反射を抑制すると示唆される。
2)セロトニン作動性下行性線維についての検討:上述の標本において、胸髄部を条件刺激すると、約30秒間単シナプス反射が抑制された。この抑制は、5ーHT uptake阻害薬(citalopram)によって増強され、5ーHT_1および5ーHT_2アンタゴニスト(ketanserin,ritanserin,spiperone metitepine)によって著しく抑制された。また、5ーHT_1アゴニスト(8ーOHーDPAT,buspirone,5ーcarboxamidotryptamine)も胸髄条件刺激と同様の抑制効果を示した。しかし、5ーHTと5ーHT_2アゴニスト(Sー(+)ーαーmethylー5ーHT)は二相性の抑制をおこし、後者の相のみがketanserinで抑制された。以上のことから、単シナプス反射の下行性抑制にはセロトニン制動性神経が関与していること、これに関わる受容体は5ーHT_1受容体、あるいは5ーHT_2受容体であるとは単純に分類され得ないことが明らかにされた。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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